2006年12月29日
ノキア・ジャパン(株)が12月25日に発売した、SIMロックフリーの携帯電話機「Nokia E61」。今回は特にメール機能に注目して、設定方法や使いこなしを紹介していこう。
E61で電子メールをやり取りするのだ
E61は、(株)エヌ・ティ・ティ・ドコモかソフトバンクモバイル(株)のSIMカードをセットすることで、通話やデータ通信が可能になる。今回の検証では、ソフトバンクモバイルのものを利用した。
標準のVPNクライアントは“IPsec”のみに対応
E61のメール機能は、「Vodafone 702NK (Nokia 6630)」などの過去のノキア端末と同様、携帯電話のメールに加えて、パソコン用の電子メールも受け取れるのが特徴になる。
個人的にE61で試してみたかったのが、空き時間を活用したメールの整理だ。毎日、スパムも含めて数百通のメールを受け取っていると、どうしてもその日のうちにチェックしきれないメッセージが増えてしまう。
そこで出社や帰宅の前に、無線LAN経由でメールをE61にダウンロード。電車待ちや移動中の暇な時間に、不要なメッセージの削除や返信の作成を済ませて、会社や家に到着したら再び無線LANにつなぐ──という利用シーンを想定していた。
インターネットからASCIIのメールサーバーにアクセスするためには、VPN(仮想専用線)の利用が必要になる。E61なら無線LANで通信料金を節約できるだけでなく、VPNクライアントを標準で備えているので、この用途にはもってこい……と考えていたのだが、実は思わぬ落とし穴があった。E61の標準VPNクライアントが、VPNの接続プロトコルの1つである“PPTP”に対応していなかったのだ。
VPNには、IPSec、PPTP、L2TP、SSL-VPNなど、いくつかのプロトコルがある。E61の取り扱い説明書によれば、E61の「VPNクライアントは、IPSec(IP Security)技術を使用します」とのこと。念のためインターネットでPPTPをサポートしたSymbian OS用のVPNクライアントを探してみたが、締め切りまでには見つからなかった。
もちろん一般のメールサーバーにつなぐ分にはVPNは不要なので問題ない。ただし、個人でE61を購入して、VPN経由でメールを受信しようと考えている人は、事前にVPNの接続方法を確認しておいた方がいいだろう。
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メニュー内の“ツール”→“設定”→“接続”にある“VPN”項目でVPNを設定する。 |
IMAP4なら自動受信が可能
VPNの話はさておき、E61のメールにおける初期設定や接続手順は至って簡単だ。E61の本体中央には“メール”ボタンが用意されている。購入後にこのボタンを押し、リストの中から自分のプロバイダーを選んでアカウントなどの設定を済ませれば、すぐに受信が可能だ。
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ジョイスティック右にある“メール”ボタンを押すと、電子メールの設定が始まり、プロバイダーのリストが現われる。@Nifty、OCN、So-net、Yahoo!、 Gmailといった主要なメールサービスなら、このリストから選んで設定できる。 |
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リストにないプロバイダーを手入力で設定することも可能。 |
初期設定のあとに気をつけておきたいのが、そのままでは携帯電話網を経由した通信になってしまうということ。環境設定を開いて、状況に応じて、無線LANや携帯電話網を使い分けられる“常に確認”に変更しておくといいだろう。
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メールボックスを設定したら、オプション画面から“E-mail設定”を選択。“接続設定”内にある受信/送信サーバーの項目を開いて、使用するアクセスポイントを“常に確認”にしておこう。メールチェック前に、無線LANか携帯電話網からアクセスポイントを選べるようになる。 |
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メールを受信したところ。標準状態ではヘッダーのみ取得する設定となっている。クリックするとネットワークにつないで、本文や添付ファイルをダウンロードしてくる仕組みだ |
ちなみに、E61では“POP3”と“IMAP4”の2つのメールボックスタイプを選択可能。“IMAP4”のメールサーバーなら、E61をネットワークにつなぎっぱなし(オンライン)にしておくと、メッセージが届いた際、自動的に通知してくれる。POP3はユーザーがその都度、メッセージを取得しにいく必要がある。
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異なるメールアカウントを複数登録することも可能だ。 |
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E61は待ち受け画面に最近受信したメールを2件表示してくれる。標準状態では、このメール欄がショートメッセージになっているが、電子メールを主に使うなら“ツール” →“設定”→“電話機設定”にある“待受画面のキー設定”で変更しておこう。 |
フルキーボードと日本語入力がポイント
実際にメール機能を使ってみて、一般的な携帯電話機と一番違いを感じたのが、メールの作成が楽だということ。ポイントは、QWERTY配列の“フルキーボード入力”と、日本語の入力補助プログラム(FEP)の2つにある。
フルキーボード入力なら、通常の携帯電話機のテンキー入力より少ない回数で日本語を打ち込める。例えば、テンキー入力では“お”と打つのに“1”のキーを5回押さねばならないが、QWERTYキーボードなら“O”を1度押すだけでいい。
キーの打ち心地も悪くない。パソコンに慣れている人なら、たまに目をキーボードに向けて入力する“半”ブラインドタッチくらいは体得できるだろう。
なお、E61は中央の12個のキーを使ってテンキー入力することも可能だ。ただしこの12個のキーは、触感で特に周囲のキーと差別化されていないため、ブラインドタッチで入力するのは少々難しいと感じた。個人的にはフルキーボードの常用を勧めたい。
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文章入力中に左下の“文字”ボタンを押すことで、“漢字”→“カタカナ”→“英語”といった具合に入力モードを切り替えられる。また、“文字”を押さえながら各キーを打つと、キートップに青で書かれた数字や記号などが入力される。 |
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キーは1mmほど盛り上がっているので、指で触って位置を把握できる。 |
一方、FEPでは予測変換が優秀だ。一度入力した文章のつながりを記憶し、冒頭の数文字を打つだけで該当する候補を表示してくれる。例えば、「お世話になっております」や「よろしくお願いいたします」といった頻出文をスムーズに入力できるだろう。さらによく使う語句なら、単語登録しておけばいい。この辺の使い勝手は過去のノキア製端末である「Vodafone 702NK II」などと同じ印象だ。
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“おせわに”のあとに“な”と入力すると、すかさず変換候補に“なっております”を表示してくれる。 |
MMSを受信できない……
さて、今までメール機能の魅力を紹介してきたわけだが、もちろん不満がまったくないわけではない。最も気になったのは、MMS(マルチメディアメッセージサービス)に非対応という点。起動時などに「MMSアクセスポイントが正しくありません。MMS設定を確認してください」とのアラートが現われる。
E61に用意されているMMSクライアントを利用するためには、別途MMS用のアクセスポイントを設定する必要がある。今回利用したソフトバンクモバイルの“S!メール”では、このアクセスポイントの設定情報を公開していないためMMSを送受信できなかった。
ノキアによれば、MMSのメール受信では、まずMMSが到着したことを知らせるSMSメッセージを受信し、その後、メッセージ本体を受信するためにMMSサーバーに接続するという手順を踏んでいるという。
このMMSサーバーにつなごうとする際、実際に接続できないため、先のアラートが現れるというわけだ。アラートはメニューの“メール”を選択し、オプション画面から“設定”の“MMS受信”項目を開いて、“手動”を指定することで解消できる。
MMSは使えないとはいえ、フルキーボードと優秀なFEPのおかげで、E61は文字入力がグッと楽になっている。E61で電子メールを受け取っても、一般的な携帯電話機より苦労せずにメッセージをバリバリ返信していけるだろう。
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MMSのアクセスポイントの設定を促すアラートがたびたび現われる。 |
【オマケ】Windowsモバイルと比べてみました
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本体は「W-ZERO3[es]」が最も長い。 |
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厚さはE61が頭一つ抜きでて薄い。 |
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キーボードを開いたところ。キーピッチは「X01HT」が最も大きい。 |
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通話中。W-ZERO3[es]も通常の携帯電話より大きいが、E61は横幅が太いという点で目立つ。 |
(編集部 広田 稔)
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