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LUMIX DMC-LX2 ワイド液晶パネルを装備して、見たままワイドに撮れるLUMIX
LUMIX DMC-LX2
松下電器産業
オープンプライス(実売価格:6万円前後)
http://panasonic.jp/dc/

2006年9月11日

「LUMIX DMC-LX2」
松下電器産業の「LUMIX DMC-LX2」。

 コンパクト機ながらマニュアル露出、マニュアルフォーカスなどが可能な“ワンランク上のコンパクトカメラ”、松下電器産業の「DMC-LX1」の後継機が「DMC-LX2」だ(関連記事)。コンパクトな筐体に光学式手ぶれ補正を内蔵し、16:9のワイドな画角で撮影できる点やボディーデザインはLX1からそのまま継承する。

本体前面
垂直にポップアップするフラッシュなどは、銀塩コンパクト高級機風の意匠と言える。レンズの右上にあるのはAF補助光ランプ。

 新たに撮像素子はコンパクト機としては最高クラスとなる有効1020万画素(16:9矩形の場合、LX1は840万画素)を採用するとともに背面の液晶ディスプレーは2.5インチから2.8インチワイドタイプへと大型化した。LX1は4:3矩形の液晶パネルを装備しており16:9の画像を撮影・再生する場合は上下に黒い部分ができてしまったが、本機では液晶ディスプレーも16:9となり、フルサイズでの表示(プレビュー)が可能となったことが特徴だ。

本体側面
レンズは大きく伸張する。右側面のフタの中にはUSB、AV出力、DC入力端子を持つ。レンズ側面にはフォーカス切り替え用スライドスイッチがある。ストラップ取り付け孔は右側のみだが、せっかくクラシカルなデザインなのだから、左側にも孔を設けてネックストラップを付けられてもいいと思うのだが。

 これ以外には外観的な違いはほとんどなく、レンズ鏡胴部周囲にフォーカス切り替えと撮影矩形(4:3/3:2/16:9)切り替えレバーが設けられ、フラッシュがポップアップする点なども同様だ。液晶パネルが大きくなったこともあってカーソルキーなどの操作部はやや間が詰まった状態となってはいるものの、ボタンサイズそのものは変わっておらず、それほど使いにくくはなっていない。

本体上面
レンズを収納した状態でもリング部はかなり出っ張っていることを考えれば、もう少し大きめのグリップでもよかった。フラッシュは自動ポップアップではなく、左のOPENレバーがロック解除スイッチになっていて、スライドさせるとバネの力ででポップアップする。

 記録画素数の向上と液晶パネルサイズ以外の機能強化点としては、バックライトの輝度を極端に上げて直射日光下でも液晶ディスプレーの表示を見やすくする“パワーLCD”や、液晶パネルの偏光角を変えることで下方向から見上げても見やすくする“ハイアングルモード”など、“LUMIX DMC-FX”シリーズなどで導入された機能が実装された。

 また、目新しい新機能としてはぶれを低減する「インテリジェントISO感度コントロール」がある。一般的なデジタルカメラでは明るさや絞り、焦点距離などから手ぶれを起こしやすい状況(一定以下のシャッター速度)になると自動的にISO感度を上げてシャッター速度を上げるわけだが、本機では画像認識技術により、画面内に動くものがあるときは自動的にISO感度を上げてシャッター速度を上げ、被写体ぶれを軽減した状態で撮影できるようになっている。

付属品
USBとAVケーブルのほかは専用充電器とキャップ、ストラップとキャップの落下防止用ストラップが付属する。

 LUMIXシリーズなど多くの光学式手ぶれ補正搭載機では、手ぶれ(カメラの動き)に対しては加速度センサーが検出して光学式手ぶれ補正機構で補正が効くわけだが、薄暗い場面でスローシャッターになると被写体の人物などが動いていてはぶれてしまう(これがいわゆる“被写体ぶれ”)。最近のデジタルカメラは光学式手ぶれ補正に加えてISO感度の向上によってカメラぶれと被写体ぶれの両方を防ぐというのがひとつの流行だが、ノイズの乗りやすい感度アップを頻繁にするよりも、必要なときのみ高感度で撮影し、被写体ぶれを検出してシャッター速度を上げるというのはいいアイデアだろう。実際に使ってみたところ、ISO感度設定を“I”(インテリジェット)にしておき車道などを狙うと、停まっている車列より動いている車があると自動的に一段上のISO感度となってシャッター速度を引き上げる様子が確認できた。

 このほか、FXシリーズですでに搭載されている“高感度”(最高感度であるISO 3200まで自動ゲインアップ)や“ビーチ”“空撮”(反射光などで極端に明るい砂浜や飛行機から撮るための特殊なホワイトバランス)といったシーンモードの追加、ホワイトバランスや画質の向上、ノイズ低減などの改善が行なわれたほか、HD画質(1280×720ドット)で毎秒15フレームのワイド動画の撮影も可能になるなど、細かな部分が強化されている。



コンパクト機としての出来は高いが
操作系にはクセあり!?

 同社のFXシリーズのボディーにレンズ鏡胴を付けたようなデザインながら、画角やフォーカスを変更するスライドスイッチやまっすぐ上にポップアップするフラッシュなど、クラシカルなカメラを演出したのも使っていて楽しい。コンパクト機なのにレンズキャップを外すのは面倒、という向きもあるかもしれないが、マニュアルで撮影に凝りたいと考えるならば、それも撮影する前の手順と楽しみたい。

 LUMIXシリーズに共通するスライド式スイッチも、単純な押し込みタイプに比べて不意に電源が入ることが少なく使いやすく、安っぽい印象が少ない外装も好印象だ。

サンプルその1
アップ
16:9の横長画像は28mmというワイドな画角もあってなかなか使いやすい。絞り優先AE、1/400秒、F7.1、ISO感度100。元画像は4224×2376ドットで、853×480ドットにそれぞれリサイズおよびトリミングした以外には、補正はかけていない。
サンプルその2
アップ
サンプル1と同じ構図を3:2で撮影したもの。絞り優先AE、1/500、F7.1、ISO 100。元画像は3568×2376ドットで、721×480ドットにそれぞれリサイズおよびトリミングした。
サンプルその3
アップ
サンプル1、2と同じ構図を4:3で撮影したもの。絞り優先AE、1/500、F7.1、ISO 100。元画像は3168×2376ドットで、640×480ドットにそれぞれリサイズおよびトリミングした。

 LX1から継承する16:9という矩形と28mmの広角レンズを組み合わせたワイドな撮影結果はなかなか見応えあり、単に斬新というだけでなく広角側を多用する人には重宝するだろう。なお、広角28mmとなるのは16:9モードのときのみで、4:3あるいは3:2の矩形で28mmを実現しているカメラよりも実質的には縦が狭く写るのだが、横長矩形により撮影結果のワイド感は4:3の28mm以上に得られる。

 画質に関しては、LX1が強い画像処理をあえて避けたためかノイズの残る絵作りだったのに対し、本機では画像処理エンジンの改良によってノイズは非常に低く抑えられ、かつ露出やホワイトバランスもかなりうまく制御されている。コンパクト機で28mmクラスの広角というと周辺描写が甘くなるものが多いが、さすがにワイド用に作られた撮像素子とレンズの組み合わせだけあって、中央部から周辺まできっちりとした描写なのもうれしい。

サンプルその4
アップ
広角28mmとなるのは16:9撮影時のみで、4:3や3:2での撮影時は広角端でもやや望遠寄りとなる。ワイド感を強調しない望遠撮影時は4:3や3:2モードをと使い分けるのがいいだろう。写真は強い逆光の条件ながらオートで露出もきちんと出ているほか、影になった部分の色もきちんと出ている。3:2モードの望遠側で撮影。絞り優先AE、1/1000秒、F4.9、ISO 100。元画像は3568×2376ドットで、721×480ドットにそれぞれリサイズおよびトリミングした。

 マニュアル撮影も可能なコンパクト機としては非常に出来はいいものの、やや不満に感じる点もないではない。特にLX1などから継承する背面のジョイスティックの操作性には違和感を覚える。LUMIXシリーズでも本機やLX1、および「DMC-FZ7」などの機種ではカーソルキーとは別にジョイスティックが装備されており、マニュアル露出などでのシャッター速度/絞り値などの操作が行なえるようになっている。カーソルキー自体には露出補正やフラッシュモード、セルフタイマなどの機能がアサインされているため、撮影時にはいちいちメニューを呼び出すことなく露出などを直接操作できるわけだ。本機ではさらに測光モードやAFモード、AF点の指定まで行なえるなど機能も追加された。マニュアル操作を重視するカメラにとってメニューから各種項目を指定するよりもこういった直接入力できる機構があるのはありがたいことだし、特に使いにくいわけではないものの、液晶パネル大型化の影響もあった2つが近づいてしまったことから入力デバイスが重複しているような印象がさらに強まった感はある。

サンプルその5
アップ
コントラストの高いシーンでも明るい部分に引っ張られることなく適正な露出で撮影できるなど、分割測光はうまく働いている。1/15秒でも手ぶれしないなのは光学式手ぶれ補正ならでは。プログラムオート、1/15秒、F4.9、ISO 100。元画像は4224×2376ドットで、853×480ドットにそれぞれリサイズおよびトリミングした。

 元来は方向を指示するためのカーソルキーに各種の機能の呼び出しを割り付けるのが当たり前になってしまったため、もうひとつの方向入力手段が必要になったわけだ。本機ではメニュー操作などはカーソルでもスティックでも可能となっていることから、いちいち使い分けを気にしなくてもいいのだが、例えば撮影時の露出操作はスティックだけが有効で、間違ってカーソルキーを押すとフラッシュモードなどを変更してしまいがちだ。カーソルとは別の入力方式はあったほうが使いやすいのは確かだが、一眼レフカメラなどでは電子ダイヤルが搭載されているように、メニューの短縮呼び出しと方向入力を操作上きっちり区別できるほうがいいだろう。


 ともあれ、外観的には従来機とあまり変わっていないように見えるLX2ではあるが、高画素化だけでなく細かな機能追加や画質のチューンによって完成度は非常に高くなっており、マニュアル操作を楽しみつつ普段から持ち歩くカメラが欲しい人にはお勧めできる製品と言えるだろう。

LUMIX DMC-LX2の主なスペック
製品名 LUMIX DMC-LX2
撮像素子 有効1020万(総1041万)画素 1/1.65(16:9)インチCCD
レンズ f=6.3〜25.2mm(35mmフィルムカメラ換算時:28〜112mm相当、16:9撮影時)、F2.8〜4.9
静止画撮影 最大4224×2376ドット(16:9)
最大3568×2376ドット(3:2)
最大3168×2376ドット(4:3)
ISO感度 オート/インテリジェント、100/200/400/800/1600(高感度モード時:3200)相当
動画撮影 1280×720ドット/15fps、848×480ドット/30fps(16:9)、QuickTime形式(MotionPEG圧縮)
640×480ドット/30fps(4:3)
液晶ディスプレー 2.8インチ低温ポリシリコンTFT(20万7000画素)
記録メディア SDHC/SDメモリーカード/MMC(静止画記録のみ対応)
インターフェース USB、AV出力、DC入力(ACアダプターはオプション)
電源 リチウムイオン充電池
撮影可能枚数 約300枚(CIPA測定値)
本体サイズ 105.7(W)×26.3(D)×55.8(H)mm
重さ 約187g(本体のみ)/約217g(装備重量)

(行正 和義)




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