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現時点における輝度ムラ、色ムラの最大の原因は、視野角の狭さによるもので、観察者に相対した表示面との角度が、画面周囲と中心部とで異なってしまうことから生じる(図A)。特に一般的なTN方式(別ページの技術解説を参照)の液晶では、上下視野角が狭く、画面の上と下が暗く感じられる場合が多い。色合いも、上に黄色の強い部分、下に青みの強い部分というような不均一さを感じてしまう。視野角の狭い液晶だと、色ごとの放射指向性が異なるために起きる現象だ。
チェックポイント その1
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左から、D-sub15ピンのアナログRGB、DVI-I、DVI-D。DVI-IとDVI-Dは、左端にある「−」型の端子形状で区別できる。「−」型端子の上下に2つずつ小さな端子が並ぶのがDVI-Iだ。デジタル、アナログの対応を間違えないよう、対応関係を上の表で確認しておこう。
(伊藤 哲)
液晶モニタのインターフェイスは、アナログ(D-sub)、アナログ対応デジタル(DVI-I)、デジタル専用(DVI-D)の3種類がある。特にデジタルの2方式はコネクタも似ており間違えやすい。この機会に仕様の違いを覚えておこう(前ページのコラム3、写真A)。
DVIは「ビデオカードによって相性がある」とよく言われる。残念なことにこれは事実だ。DVIは統一規格の1つだが、厳密なタイミングやビデオ信号の通信仕様などの点で、まだ曖昧な部分がある。互いの通信タイミングがズレていると、モニタは繋がっているのに、ビデオカードが「繋がっていない」と判断して信号を切ってしまう。これが相性問題の主な原因と言われている。メーカーもこの問題は認識しており、Webサイトで動作確認をしたビデオカードのリストを公開している場合もある。
また、2台のPCでモニタを共有するために、D-subとDVI-D、DVI-IとDVI-Iといったような2系統入力搭載機を選択するユーザーもいるだろう。頻繁に2台の画面を切り替えるなら、入力系統の切り替えが容易に行えるかどうかも確認しておきたい。ボタン1つで切り替え可能な「ワンタッチ切り替え」を装備していればベストだ。逆に、OSDメニューを表示させ、さらにカーソルを動かして階層を下りなければ切り替えられないような機種は、一考の余地ありととらえたほうがいいだろう。
製品の良し悪しを左右するほどの要素ではないが、USBハブや、スピーカ、ビデオ入力の装備も、あると便利な機能という意味で選択時に加味する要素だ。特にビデオ入力は、ビデオデッキと組み合わせて使うことで、TVチューナ機能のない液晶モニタが、TV代わりにも使用可能になる。
また、本体の薄さを生かしてパネル部分だけをアームスタンドなどに設置するなら、本体背面に設けられることが多い統一規格の取り付け穴「VESAマウント」への対応もチェックしておこう。
このほか、VGAやSVGA解像度を全画面に拡大表示する「スムージング機能」への対応も、ゲームを楽しむユーザーなら見ておきたい。今どきスムージング非対応の機種はほとんどないが、スムージング時のシャープネス調整の有無は、まだ機種ごとにバラつきがあるのが実情だ。
いずれにしろ、付加機能の搭載は価格に反映される。吟味して取捨選択した上で、価格、表示性能のバランスを考えて製品を選択してもらいたい。
液晶パネルカタログの表示色数の項で、「擬似フルカラー」という言葉を目にしたことはないだろうか。1ドットあたり3万2000色程度の表示性能の液晶パネルを、表示方法を工夫することで見た目にはフルカラー(1677万色)相当に見せている場合に、この言葉が表記される。
擬似フルカラーを実現する手法にはいくつか種類があるが、
――の2種類が一般的なものだ。
ユーザーにとって問題なのは、低価格モデルに集中している擬似フルカラーパネル採用機を選択しても大丈夫か? ということだろう。結論から言えば、擬似フルカラーでも、見た目にはフルカラーとの違いはほとんどわからない。
ただ、滑らかなグラデーションを表示した場合に、(1)方式の場合では写真Bのように階調に粗が出てしまったり、(2)の方式のパネルでは、画面の一部にチラツキを感じたりすることがあるのは知っておこう。以上のことから、色を厳密に扱うグラフィック用途には残念ながら不向きである。なお、フルカラーをうたう製品の中にも、実際は擬似表示の場合があるので、心配ならショップの店員に確認しよう。
[Q1] 液晶パネルの寿命はどのくらいが目安ですか?
[A1] 液晶部分の寿命は、およそ3万時間といわれているので、ほとんどCRTモニタに遜色ないレベルまで来ていると考えて良いだろう。一方、パネルを照らすバックライトの寿命は、通常2〜3万時間、長寿命タイプで5万時間ほどとなっている。これは明るさが半分になるまでの保証時間とされているので、液晶部分の寿命には影響を与えないレベルになってきていると言える。
[Q2] 視野角の基準は?
[A2] 各メーカーが仕様として記述している視野角の数値は、メーカーの通例としてコントラストが10:1以下に低下する角度と規定していることが多い。ちなみに、この状態では、コントラストの浅い部分がツブレたようになる。つまり、視野角160度と言っても、すべての製品でこの角度の実用性が保証される訳ではない。なお、パネルによって色の反転、暗転の度合いは異なる。
[Q3] 液晶モニタの価格はこれから上がる? 下がる?
[A3] メーカーサイドでは、2002年末までは現状維持、もしくは多少上昇するとの見方が強い。パネル単価が値下がりし始める時期については諸説あるが、第5世代生産ラインが本格始動すると言われる2003年の早い時期に、ある程度値下がりするとの見方が濃厚だ。今購入したからと言って、即座に大幅な値下がりを起こすことは考えにくい。
[Q4] 液晶につきもののドット抜けが心配なんですが……。
[A4] 一口にドット抜けと言っても、白抜け、黒抜けの2つの状態があり目立ちやすさも違う。白抜けといっても完全に白になることはなく、RGBどれかの色がONのままとなるので極端には目立ちにくい。画素のサイズも1ピクセルの3分の1程度だ。黒抜けの場合は、なお目立たない。
液晶はその性質上、ある割合で欠陥画素の発生は避けられない。しかし、大手のメーカーでは、部品納入時にガイドラインを設けて一定以上の欠陥のある液晶パネルは使用しないようにしているし、また、組み立て時にも、目立つ欠陥画素を持つ製品は取り除かれている。ただし、特別ルートで流通する「B級品」と呼ばれる廉価なモニタだけは例外だ。なお、ケースバイケースではあるが、余りに目立つ場所にドット抜けがある場合は、メーカーに相談してみるのもいいだろう。
図4 図はTN方式を例にとったもので、左が光透過時、右が光遮断時を示している。液晶を挟み込んだ上下の「偏向板」の偏向方向が異なることがポイントである。光透過時には、上側で透過方向を一定に矯正された光が、液晶分子によって90度屈折させられ、下側の偏向板を通り抜ける。遮断時(TN方式の場合は電圧OFF時)にはこの屈折が起こらないため、光は下側の偏向板を通り抜けられない。他の方式の液晶であっても、偏向方向が異なる2枚の偏向板を用いて光を遮断・透過するという動作原理は共通である。 |
図1 TN方式は、電圧OFF時には液晶分子がねじれて光が屈折、透過する(ノーマリーホワイト)。ONにすると斜めに立ち上がって光を遮断する。斜めに立ち上がるため、見る角度によって画の色合いが異なってしまうのが最大の欠点である。 |
現在もっとも採用実績が多いのが、液晶分子の並びがねじれている様から「Twisted Nematic」と呼ばれているTN方式だ(図1)。歴史が長いためコストメリットに優れ、ノートPCの液晶や、低価格な液晶モニタのほとんどは、この方式のパネルである。液晶部分は図のように(上下で角度が異なる)2枚の偏光板に挟まれ、電圧OFF時のねじれている状態では、液晶を通過する光の偏光方向が変わり透過状態となる仕組みだ(図4)。電圧ONで液晶分子にねじれがなくなると、2枚の偏光板の偏光方向(角度)の違いから非透過状態となって、黒画面になる。
ただし、図1の右図のように液晶分子が垂直に立たないため、斜めから見た際の偏光角に違いが出る(=視野角が狭い)。これを視野角依存性と呼ぶ。視野角依存性が高いのがTN方式の最大の欠点だが、これを解消するため「高視野角化フィルタ」という部材が2000年頃から実用化され始めた。
このフィルタをパネル前面に挿入するだけで、従来のTN方式パネルを容易に高視野角化できるようになったのだ(ただし、光が拡散するため輝度は多少低下する)。当初は割高だったフィルタのコストもこなれてきたため、価格面も含めたトータルの競争力では、TN方式が今なおIPS、VA方式を上回る市場を獲得している。
図2 IPS方式は下側のガラス面のみに電極を持ち、液晶分子が水平に90度、スイッチのように回転する。電圧OFF時に黒を表示する(ノーマリーブラック)ため、液晶部分が動作不良を起こしても、黒点になる。従って、ドット抜けが生じても目立ちにくい。 |
図3 電圧OFF時に液晶分子が垂直に立ち上がるVA方式。この状態では液晶分子が光を乱さず、ストレートに偏向板に届くため、遮断時に光が漏れにくい(コントラスト比が高い)という特徴を持つ。電圧OFF時は黒を表示する。 |
以上は基本的な液晶の動作原理だが、このほかにも、各メーカーが表面処理や素材の工夫などの技術によってしのぎを削っている。例えば、シャープ製品の一部に採用されている「低反射ブラックTFT」は、その代表例だ。表面処理を工夫するなどして、位相が1/2ズレた波長の光を反射させ、互いに打ち消し合わせる。これにより、従来のアンチグレアコート方式では約5%だった反射率を、約1.5%(いずれも同社比)にまで低減させ、外光の反射によるコントラストの低下を極限にまで抑えることに成功している。
(伊藤 哲)
液晶モニタを接続する際には、最初に「フェーズ」と「クロック」を調整しなければならない。これが、CRTとは大きく違う点だ。フェーズがズレていると画面にチラつきやにじみが生じ、クロックのズレは画面に縦縞となって現れる。
たいていのモニタは、これらをワンタッチで自動調整する「AUTOボタン」を設けており、煩わしい手動調節をしなくても済むよう配慮されている。ただ、自動調整機能があまり賢くない機種では、単にAUTOボタンを押しただけでは、ドットのにじみが解消されないこともある。
その場合には、製品に付属している画質調整用のカラーパターンを画面に表示させ、改めてAUTOボタンで自動調整させれば、ほとんどの場合うまくいく。自動調整機能に、調整基準を教えてやるわけだ。もし製品に付属していない場合は、いくつかのモニタメーカーが自社のWebサイトで配布しているカラーパターンを入手しておこう。ここでは一例として、イーヤマ販売のWebサイト(http://www.jes-i.co.jp/iiyama_s/test.bmp)を挙げておく。なお、デジタル接続なら、この調整は必要ない。
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カラーパターンを使えばコントラストのズレも一目瞭然 | |||||
次に、自動調整による明るさや画面のメリハリ(コントラスト)が不十分なら、手動でこれらを調整する。ただ、機種によっては自動調整機能で階調表現も含めて最適化される場合があるので、明確におかしい場合を除いて、無闇なパラメータ変更は避けるべきだ。特に「R」「G」「B」の比率を変更すると、パネルの発色に偏りが出てしまい、階調表現が著しく低下することがあるので要注意だ。
コントラストの調整は見慣れた画像を使ってもいいが、階調の表現状態を客観的に把握するには、カラーパターンを使うのが一般的だ(写真1、2)。手動で調節する際には、特に次の点に注意したい。CRTモニタでは、これまで、コントラストを下げると色味が浅くなり、ブライトネスを下げると輝度が低下するといったように、各社の製品におけるパラメータの意味が統一されていた。しかし、液晶モニタでは、機種によってその内容が異なることがある。
まず、輝度の調整だが、バックライト自身の輝度を調整するタイプと、液晶パネルの透過率をコントロールするタイプの両方の製品がある。さらに、ブライトネスで透過率を調整するものの中には、「バックライト」という項目を別途設け、こちらでバックライトの輝度を調節できることもある。
このように、意図したとおりにパラメータが反映されないことがあるので、液晶モニタの色調整はプロでも難しい。厳密な色再現性を望むなら、素直にsRGB対応機を購入するのが手っ取り早い。
以上は基本的な液晶の動作原理だが、このほかにも、各メーカーが表面処理や素材の工夫などの技術によってしのぎを削っている。例えば、シャープ製品の一部に採用されている「低反射ブラックTFT」は、その代表例だ。表面処理を工夫するなどして、位相が1/2ズレた波長の光を反射させ、互いに打ち消し合わせる。これにより、従来のアンチグレアコート方式では約5%だった反射率を、約1.5%(いずれも同社比)にまで低減させ、外光の反射によるコントラストの低下を極限にまで抑えることに成功している。
色温度の設定は曖昧な場合が多い。色温度の項目は目安程度に考えておくのが無難だ。ただ、sRGB対応機については少々事情が違う。OSDの色温度表示が不明確な機種であっても、sRGBモード時の色温度は、必ず6500Kになるように決められているためだ。
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