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オンラインタイプの地図ソフトの代表格といえば、インクリメントPが提供する「MapFan.net」だ。MapFan.netシリーズは、専用の地図ブラウザをPCにインストールして、地図データはインターネットから随時ダウンロードして使う。ダウンロードとはいってもユーザーが地図を見るたびに手作業でするわけではなく、地図ブラウザが勝手に行ってくれるのだ。そうしてダウンロードされた地図データはハードディスクに貯められるので、一度表示した地図データはインターネットから切断しても再度表示できる。オンラインタイプ地図ソフトの最大のメリットは、常に最新の地図データを表示できること。次に、オンラインタイプは見たい地域の地図データだけがダウンロードされるわけだから、ハードディスクの残り容量がわずかなノートパソコンでも十分に活用できることだ。
常時接続による連続リクエストで
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画面5 細かな設定はできないし車専用だが、十分に使えるMapFan.netのルート探索機能。 |
新機能と呼べるほどのものでもないが、MapFan.net3.5の検索機能に、急増する「無線スポット」を検索する項目が加わった。無線スポットとは、外出先でも無線LANによるインターネット接続ができるサービスで、パソコンはもちろんPDAなどでも利用できる。この無線スポットの検索には、インプレス社が提供する無線スポットデータベースが使われている。さらに、ヴァル研究所の「駅すぱあと」と連携ができるようになり、駅すぱあとの駅周辺図がMapFan.netで表示できるようになっている。
画面6 検索機能に、無線LANが使える無線スポットを検索する項目が追加された。 |
オンラインタイプの地図ソフトのもうひとつの特徴は、1年単位の利用料を支払っていれば、新バージョンへの乗り換えは無料という点だ。MapFan.netの場合、年間利用料が3200円(ダウンロード購入)。地図ブラウザのバージョンアップは小刻みにあって常に改良されてきた。つまり、地図データはもちろんアプリケーションも頻繁に更新されるわけだ。バージョンアップの方法も簡単で、Windowsのアップデートと変わらない。
年間利用料の3200円の価値をどう捉えるかは個人の主観にもよるにしても、パッケージ販売されているオフライン地図ソフトの約1/4程度の金額である。つまり、オフライン地図ソフトを購入するお金があれば、MapFan.netは4年間使い続けるられるということになる。それも常に最新の地図データでだ。
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オフライン地図ソフトの代表格といえば、誰もが「プロアトラス」を推すだろう。そのプロアトラスシリーズの最新版がプロアトラスW2だ。
プロアトラスシリーズの最大の魅力は、なんといっても地図データの美しさにある。それは馴染みのある紙地図そのもののクオリティだ。ご存じのようにプロアトラスの開発元であるアルプス社は地図を専業とする企業。長年の地図制作に関わる技術の蓄積が、デジタル地図に表現されていても不思議ではないだろう。実際、プロアトラスの魅力は地図の美しさ以外に、情報量の多さがあげられる。主要な駅周辺の縮尺約1/1,500の地図では、お店の電話番号や定休日までもが記載され、駅構内にいたっては改札や階段も明記されている。ここまでの情報量は他の地図ソフトには見られない。確かに、どんなに縮尺を大きくできても必要な情報が記載されていなければ、地図としての役目は果たさないという同社の自負にはうなずけるものがある。
今回のバージョンアップの目玉は海外の地図を搭載したことだろう。ダイヤモンド・ビッグ社の「地球の歩き方ポケット」から、ハワイ・ロンドン・バンコクなどの海外主要都市の観光地図が収録された。とはいっても残念ながらこれはプロアトラスとは別のアプリケーションであるコンテンツビューアで見る特別な地図だ。せっかくプロアトラスW2自体に世界全図や世界広域地図があるのに、そこから主要都市地図を起動することもできない。また、地図の縮尺は1種類しかなく、まさしく観光用の地図である。実用性だけではなく、地図ソフトに対して趣味性を感じている人にとって世界地図は待ち望んでいた機能のひとつだと思う。まぁ、海外の詳細な地図はいろいろな問題もはらんで製品化するのは難しいのだろうから、観光用でもいい、別のアプリケーションでもいい、あるに越したことはないのかもしれない……。
プロアトラスW2に標準収録されている海外マップは、ハワイ、ケアンズ&シドニー、バンコク、ロンドン、ロスアンゼルスとラスベガスだ。その他グアム、バリ島、香港、北京、上海、台北、ホーチミン、ソウル、釜山、シンガポール、パリ、ニューヨークといったタイトルは、プロアトラスW2ユーザーであれば、定価300円でアルプスマップオンラインショップからダウンロードできる。
地図データは、縮尺約1/7,500が従来よりも大幅に増え、さらに縮尺約1/21,000は日本全域をカバーすることとなった。また、ピンポイント住所検索機能には新しいキーワード検索を実装し、より簡単な住所検索ができるようになっている。ユニークなのは、CSVファイルのインポートとエクスポートの機能が追加されたことで、自分で作成した住所データを「一丁目二番地三号」のように地図上に表示できることだ。そのポイントにコメントを入力したり、ポイントからURL、Excel、Wordファイルなどへのリンクもできる。
画面11 細かな条件を設定できる検索機能。住所の検索にはキーワードによる検索オプションが追加された。インデックスバーはドッキングとフローティングを着替えられる。 |
その他の機能としてユニークなのは、デジタルカメラの画像を地図上に貼り付けられることだ。旅行の記録としても楽しいが、ビジネスでも役に立ちそうだ。また、高速道路料金計算機能では「普通車」のほか「軽自動車等」、「中型車」、「大型車」、「特大車」の料金も計算できるようになった。さらにルート検索機能では、ドライブシュミレーション的な使い方ができるようになっている。交通手段ごとに走行速度の設定ができるので、おおよそのガソリンの料金や使用量もルートと一緒に表示できる。ただルート検索を使うには、ネットワークアクセスキーを入手して、インターネットに接続しなければならない。ここだけはオンラインだ。
機能的にも便利になり、詳細地図データも盛りだくさんとなったプロアトラスW2だが、その分ディスク容量を膨大に消費することにもなった。なんと全国の地図データや関連のファイルをフルインストールすると、11GBもハードディスクを消費してしまう。もちろん必要な地域だけを選んでインストールできるようにもなってはいるが、データを持っているなら全部インストールしたいというのが人情というものだろう。しかしこの容量ではノートPCではきつい。美しい地図データを取るか容量の少ない地図ソフトを取るか、ユーザーは厳しい選択を迫られることになる。
プロアトラスは以前からビットマップの地図データを採用しているのだが、私はアルプス社がいつベクタデータの地図をプロアトラスに採用するのか楽しみにしている。プロアトラスが持つ地図データの美しさと情報量の多さをベクタで再現することは技術的に可能だと思うのだが。素人考えだろうか。かなりファイル容量を軽減できるはずだ。
MapFan.net3.5とプロアトラスW2は、機能と性能においてはそれぞれに一長一短があり、コンセプトも素性も違うまったく別次元の地図ソフトだ。実用性を重視して常に最新の地図が必要ならMapFan.net。ハードディスクに余裕があり、地図データに遊び心と美しさ、そして情報量の多さを望むならプロアトラスW2がオススメだ。
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(薮田 織也)
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