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Windows Vista 日本語版 【フォトレビュー】マイクロソフトが日本語版のWindows Vistaを公開――初披露された新機能も
Windows Vista 日本語版
マイクロソフト
http://www.microsoft.com/japan/

2006年5月1日

マイクロソフト(株)は4月21日、都内で記者会見を開き、プレス関係者に日本語版の“Windows Vista”を披露した。国内で公式にWindows Vistaがデモされたのは初めてのこと。

ジェイ・ジェイミソン氏
マイクロソフトWindows本部本部長のジェイ・ジェイミソン氏

 Windows Vistaは、2006年11月に企業向けに出荷開始、2007年1月にパッケージ版の出荷開始というタイムスケジュールで開発が進められている。英語版のVistaは、今年1月に米国で開催された“2006 International CES”の基調講演や会場のデモで公開されている。

 マイクロソフトはVistaのキャッチフレーズに“クリアーな視界の提供”という言葉を使っている。より使いやすく、「目的を容易に実現できる環境を提供するのがVistaである」という意味だ。検索機能の充実や新GUIの採用による使いやすさ、インターネットへの接続性の高さ、安心して使えるセキュリティー、各種デジタル機器との連携がテーマとして掲げられている。

 今回のデモに使用されたWindows Vistaのビルド番号は「5265.winmain_idx05.060416-1900」で最新のもの。WinFSによるメタデータ検索やサイドバー上に格納できるガジェット、Vistaで追加されるAPI“WinFX”を用いて試作した3D表示対応アプリケーション「Media Mania」、Internet Explorer 7のセキュリティー機能など、CESのデモにはなかった機能もいくつか紹介されていた。

 Windows Vistaは、コンシューマー/ビジネス向けに5種類のパッケージがラインナップされる予定だが、目玉機能のひとつである新GUIシステム(コードネーム:Aero)は、“Home Premium以上”での対応となる。



Windows Vistaの製品ラインナップ
Windows Vistaの製品ラインナップ
発売までの道筋
発売までの道筋

 Aeroでは、半透明のウィンドウ表示や、重なり合ったウィンドウを斜めの視点から見る“Flip 3D”、タスクバーやアプリケーション切り替え時の“ウィンドウサムネイル”表示など、Windows XPとは大幅に異なったインターフェースを採用している。最もWindows Vistaらしさを感じさせる新機能だ。マイクロソフトとしても、下位の“Basic”ではなく、その上の“Home Premium”をコンシューマー製品の中核とする意図のようだ。

 Home Premium以上では“Windows Media Center”の10フィートGUIや、タブレットPCに関連した“ペン入力機能”なども提供される。従来はWindows XP Media Center EditionやTablet PC Edition(以下MCE)に対応した専用ハードウェアを購入する必要があったが、その必要はなくなる。現状のMCEはデジタル放送対応チューナーが未対応であるが、Vistaではどうなるのかが気になるところだ。マイクロソフトの担当者は「努力する」とのみコメントした。

Windows本部コンシューマWindows製品部の藤本恭史マネージャと倉本玲子シニアプロダクトマネージャ
Windows本部ビジネスWindows製品部の中川哲マネージャと永妻恭彦シニアプロダクトマネージャ

 今回のデモはローカライズ途中ということもあり、一部日本語化が済んでいない箇所も存在した。日本語の翻訳(文言)にも変更の可能性があるという。例えば、ペアレンタル機能の設定画面に「爆弾の製造」という項目があるが、日本の環境では設定項目としてあまり適切ではない。製品化時には、ゲームで言えばCERO(コンピュータエンターテインメントレーティング機構)の基準などを参考にしながら、日本に即したレイティングを採用していく形になるという。

 メタデータ機能に関しても、同じ形で製品に搭載されるかどうかは分からない状態だという。アップグレードパス、価格、動作環境に関しても未定。Aeroはかなり負荷のかかりそうな印象だが、最低動作環境に関してもβ2以降のチューニングでどこまでOSを軽くできるかで変わってくるという。

 次ページでは、Windows Vistaの新GUIを豊富な写真で紹介する。



 前のページで述べたように、コンシューマー向けのBasic以外は新GUIのAeroを採用している。まずはその違いを中心にVistaのGUIを見ていこう。

BasicとPremiumの比較
左がWindows Vista Basic、右がPremium

 目を引くのが、ウィンドウのサムネイル表示機能だ。Alt+Tabで表示される“アプリケーション切り替え”画面では、Basicがアイコンのみなのに対して、Premium以上ではウィンドウ内容のサムネイル表示もされる。このとき動画も再生される。また、Windows+Tabを押すと“Flip 3D”モードになる。キーボードでウィンドウをスクロールすることができ、直感的だ。

左上のみBasic、残りはPremium。右下がFlip 3Dモード

 検索機能の充実もWindows Vistaの特徴である。例えば、コントロールパネルの右上には、検索用のテキストボックスが追加されている。ここにキーワードを入力すると、対応した機能が絞り込まれて表示される。Mac OS X 10.3を使ったことがあるなら、それをイメージすると分かりやすい。なお、ウィンドウの枠の部分が半透明になっているが、これもAeroの特徴である。ウィンドウの下にあるオブジェクトが把握できるので、操作がしやすくなる。

コントロールパネル。アドレスバーの表示方法や右上のボタンの形状も変わっている。アイコンの種類も増えたようだ


 エクスプローラーの縮小版表示も細かくカスタマイズできるようになった。スタートメニューそのものはWindows XPとそれほど違いがないように見えるが、マイドキュメントの部分にユーザー名と大型のアイコンが表示されているのが分かる。エクスプローラーの右上にも検索窓があり、キーワードを入力すると、表示内容を絞り込める。

 アドレスバーにはフォルダー名の階層構造も表示され、より見やすくなった。アイコンのサイズもスライドバーで変更できるようになっており、大型のアイコンを選ぶと、大まかではあるが中にどんな種類のファイルが入っているかを把握できる。ファイル名のほか、作成者、ファイル形式なども、絞り込みのキーワードとして利用できる。Vistaの特徴である、メタデータ検索のデモも行なわれた。

 Windows VistaではWinFXという新APIが追加されているが、これを利用した検索アプリケーションも作成できるようになっている。デモでは、eコマースサイトにアクセスするためのデスクトップアプリケーション「Media Mania」が紹介された。絞り込み検索に加え、インタラクティブに動作する3Dのアイコン、Flip 3Dなど、Aeroと親和性の高いインターフェースを持っている。

Media Mania。CDのアイコン(画面右上)や棚からケースを取り出す感覚でインタラクティブに動くグラフィックスに注目(画面右下)


 Vistaでは次期バージョンのウェブブラウザー「Internet Explorer 7」が標準搭載される。タブブラウジングに対応したほか、セキュリティー機能の強化やペアレンタルコントロールの追加も行なわれる。

 Windows Vistaには、ウイルスやトロイの木馬などの“マルウェア”を検出し、削除するためのインターフェースが追加される。同時にフィッシング対応機能も追加され、URLがIPアドレスになっているサイトや、フィッシングサイトのデータベースに登録されているサイトを開こうとした際に警告が表示される。

マルウェアの検出画面(左)とフィッシングサイトの警告(右)

 フィッシングサイトの警告には2段階があり、IPアドレスの書式などから疑わしいサイトと判断した場合は「フィッシングサイトかもしれません」という警告を出し、アドレスバーが黄色になる。一方、データベースに登録されたフィッシングサイトの場合は、ページの表示は行なわず、アドレスバーは赤色になる。

警告メッセージと、アドレスバーの色に注意

 家族などとパソコンを共有する場合には、ペアレンタルコントロールも必要な機能だろう。Internet Explorerだけでなく、Windows Vista自体の利用制限もかけられる。ウェブサイトのフィルタリングだけでなく、1日に子供がパソコンを使っていい時間や使っていいプログラムの設定が可能。何を使ったかのログも残せる。

ペアレンタルコントロール画面。管理者(親など)がユーザー(子供など)の操作に制限を加えられる

 Internet Explorer 7の最大の特徴は、タブブラウズに対応したことだろう。デモでは、インターネットの検索結果をCtrl+左クリックで別タブとして開く方法が提案されていた。現在開いているタブはサムネイルで不要なものを閉じてしまえるのも便利だ。

複数の検索結果をCtrl+左クリックで開いていく(左)。アイコンをクリックすることで、現在開いているウィンドウを一覧表示できる

 印刷時にプレビューできるようになったのも、地味だが便利な機能と言えるだろう。

プレビュー画面。マウスで選択した範囲だけを印刷することもできる


 Vistaでは、サイドバーガジェットと呼ばれるデスクアクセサリーも利用できる。Mac OS Xのウィジェット(Widget)と同様の機能を提供するものと考えて良さそうだ。


サイドバーガジェット
天気予報を表示するガジェット。時計の外観は別のスキンに変更できる

 Vistaは、マルチメディア関連のアプリケーションもいくつか追加されている。Premium以上では“Windows Media Center”という10フィートGUIのアプリケーションが標準搭載されている。リモコンのグリーンボタンを押すと起動し、Windows Media PlayerやWindows Photo Viewerのライブラリーをリモコン操作で簡単に呼び出せる。Aeroとは異なる、Vistaのもうひとつの顔と言えるかも知れない。

 同様の機能はWindows MCEにも搭載されているが、メニューは従来の縦方向に加え、横方向にも移動できるようになっている。最近再生した音楽などをトップからダイレクトに選べるので便利だろう。また、ジャケットの一覧表示や動画再生時に半透明のメニューをオーバーレイさせたりといったことも可能になる。国内では、ジャケット画像をユーザーがどう入手するようにしていくかが、リビングPCの使い勝手を高める上での課題になりそうだ(米国ではWindows Media Playerで楽曲情報を取得した際にジャケットの写真も追加される)。

Windows Media Center

 Windows Photo ViewerとWindows Media Playerに関してもGUIが変更され、検索性と一覧性が高まった。特にWindows Photo Viewerには“タギング”の機能が追加され、撮影日時や保存日時などによる絞り込み以外の分類が可能になった。ともに、ID3やExif情報などのメタタグを利用した検索にも対応する。

Windows Photo Viewer

Windows Media Player 11。楽曲をジャンル別にジャケット表示した画面


 企業クライアントとしての運用性を考えた新機能もいくつか用意されている。そのひとつが、コマンドラインの“ximage”で、セキュアーな状態のディスクを圧縮してイメージ化し、ネット経由やDVD-ROMなどで複数のクライアントマシンに配布することができる。作成したイメージファイルの拡張子は“.wim”になる。

 Windows Serverの「BDD」というツールを利用すると、このWIMファイルに追加アプリケーションやパッチなどを追加して自動インストールすることができる。Active Directoryと連携させれば、部門単位などで必要なアプリケーション構成を選んで、Windows Vistaを一括インストールすることなども可能になる。差分を追加できるため、最新パッチなどが新たに追加された際などにもイメージファイルを作成し直す必要がない。

 これは企業導入に便利な機能だが、コンシューマー製品にもほぼ同じ仕組みを用いた“オートマティックバックアップ”と呼ばれる機能が搭載されるという。

ximage
イメージ化したディスク
イメージにアプリケーションを追加したところ
クライアントで配布された起動ディスクを実行したところ

 セキュリティーを重視する機能では、USBメモリーなどの外部記憶メディアにパソコンのデータをコピーさせたくない場合もあるだろう。Windows XPでもレジストリー操作で、USBメモリーを認識させないようにできたが、Vistaでは専用の管理画面が用意され、より簡単に設定できるようになっている。

USBメモリーを利用できないようにしているところ
起動画面。認証デバイスの挿入が要求されている

 また、ラップトップパソコンなどが盗難にあった際に、中の情報を守れる機能も追加されている。パソコン起動時に認証キー(USBキーなど)の有無を判定し、ない場合にはOSを起動させない仕組みも導入されている。

(編集部・小林 久)




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