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【レポート】KDDIとプランタン、携帯電話ストラップ型ICタグを用いた1日限りの実験を実施

Printable Version 2003年9月19日

KDDI(株)と(株)プランタンは19日、東京・中央区のファッションデパート『プランタン銀座』にてICタグと携帯電話を用いた検証実験を行なった。

プランタン銀座
実証実験が行なわれたプランタン銀座。女性向けのファッション、インテリア雑貨、グルメなどの商品を販売する人気のデパートだ

参加を希望した登録者にICタグ入りのストラップを渡し、店内5ヵ所に設置されたICタグリーダーにかざしてもらうことで、店内のイベントや商品情報など広告と、簡単なクイズで構成されるメールが携帯電話に送られる。登録者はそのクイズについてアンケート用紙に記入して答えると、500円の商品券がもらえるというゲーム形式のトライアルイベントだ。およそ500人の登録者を目標に実施された。

参加要項
“店内クイズウォークゲーム”と題された実証実験の参加要項
ICタグ入りの携帯ストラップ
参加者にはICタグ入りの携帯ストラップが配られた

1日限りの実験であることからも分かるように、今回はあくまで技術面での検証実験。タグそのものはゲーム終了後に回収されるが、将来この機能を使えば、来店者への情報提供だけではなく、顧客の店舗内動線(店舗内を顧客がどのように動いたか)が把握でき、例えばどの売り場に人気があるかなどを調べることが可能になる。

ICタグリーダーにストラップをかざす
店内5ヵ所にあるICタグリーダーにストラップをかざすと……(次の写真へ)
クイズが書かれたメールが携帯電話に届く
クイズが書かれたメールが携帯電話に届く

KDDIは、ビジネスモデルとして、企業を対象とした“マルチプレーヤー型”のサービス提供を考えているという。ここで言うプレーヤーとは来店者ではなく、各店舗のことだ。例えばA百貨店とB百貨店があった場合、これまでのやりかたでは、A百貨店とB百貨店がそれぞれ異なる方式のタグを配り、各々でシステムを導入する必要がある。しかし、KDDIが今回開発した情報配信プラットフォームサーバを介することで、1つのタグが両方の店舗で共通して使えるようになる。なお、プライバシーへの配慮から、A百貨店ではB百貨店での顧客情報などを読むことはできない。

タグの管理画面
タグの管理画面(部分)。運用者は、どのナンバーのタグが、いまどこのタグリーダーにタッチされたか把握できる

この仕組みにより、限られたクローズドな空間や1店舗だけではなく、オープンな空間での情報配信サービス提供が実現できる。実際、他の百貨店からの問い合わせもあるという。地域商店街などで活用される可能性もあるだろう。ただし、将来の展望についてはまだ検討段階とのことだ。

猪澤伸悟氏
KDDI技術開発本部開発推進本部 事業企画リーダーの猪澤伸悟氏

今回の実験は「本当に大変でした」と、KDDIの技術開発本部開発推進本部の猪澤伸悟事業企画リーダーは苦労を語る。例えば、設置場所は店舗での顧客動線や販売を妨げない場所でなければならないし、タグリーダーには電源が必要になるが、延長ケーブルを迂闊に引っ張って顧客がつまずいたりしたら元も子もない。実際の運用においては様々な配慮が必要だ。

クイズに対する返信も、単純に考えればメールで返信させるほうが手軽にも思える。だが、プランタン側が強く紙で回答させるほうがいいと主張したのだという。実際に、しばらくトライアルの様子を見ていると、参加希望者は老若男女バラバラであった。今回のような1日限りのトライアルでは、タグリーダー位置案内なども兼ねている“アンケート用紙”を用いた選択が正解だったのかもしれない。

今回使われたICタグはオムロン(株)製のものだが、例えば携帯電話の裏蓋に添付するシール型のタグも存在する。ストラップという形式を選んだのもやはりプランタン側だったそうだ。タグそのものはトライアル参加終了後に回収されるが、プランタンのロゴ入り液晶拭きが付いたストラップは、参加記念品としてプレゼントされる。



携帯ストラップの中のICタグ
携帯ストラップの中のICタグ

コスト面においても、現実的にはタグ1つが1円以下にならないとなかなか厳しいという。今回は実験だったので、ユーザー登録といっても携帯のメールアドレスを登録するだけが、実際に導入する場合にはユーザーの属性などを登録してもらう必要があるだろう。運用面ともども、そのあたりの問題解決が必要になりそうだ。

(森山和道)




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