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【番号ポータビリティ】総務省はすでに導入前提か――総務省研究会

Printable Version 2003年12月16日

総務省は16日、“携帯電話の番号ポータビリティの在り方に関する研究会(第3回)”を開催した。番号ポータビリティに関する検討を行うことを目的とした研究会で、座長は東京大学名誉教授の齊藤忠夫氏が務める。研究会の構成員は、携帯電話4大グループ(NTTドコモ、au、ボーダフォン、ツーカー)から在京の事業者が参加、そのほか東日本電信電話(株)、(株)日本経済新聞社や消費者団体、通信サービスベンダー、コンテンツプロバイダー、民間シンクタンク、学識経験者で、これらは総務省が選出している。

討議の様子
16日に開催された研究会より

今回の会議では、総務省や民間シンクタンクなどから、番号ポータビリティを導入した場合の経済的な効果や、ユーザーが受けるメリットが紹介された。

総務省は1997年に発表されたイギリスでの事例を紹介、導入に際して約364.8億円の費用がかかったにもかかわらず、約552.7億円の便益があり、正味約188.2億円のメリットがあったことを紹介した。また、シンクタンクの本荘事務所(代表:本荘修二氏)は外国で導入が進んでいる例を挙げた上で、「携帯先進国である日本がそれを避ける強い理由が見当たらず、実施は早いに越したことはない」と導入を急ぐべきとの意見を述べた。

それに対して、この研究会で、NTTドコモ、au、ツーカーのキャリア3社は番号ポータビリティの導入には慎重な姿勢を見せている。すでに研究会内で番号ポータビリティの導入には900〜1500億円の費用がかかると試算されているが、3社は「コストに見合った効力があるか疑問」と口をそろえる。

ただ、3社は番号ポータビリティの導入に“反対”しているわけではないと説明している。導入には莫大な費用がかかるため、ユーザーの要望などをくみ上げた上で導入を検討し、需要が少なければ「移転の番号案内」を流すという低コストな代案も検討すべきだとしている。

実際に携帯電話のサービスを提供する側から見れば、事業者を乗り換えるユーザーの利便を図るためにコストをかけるよりも、自らのサービス向上や料金面でユーザーに還元していくのが本道と考えているようだ。事業者の変更を容易にして競争を促し、ユーザーにメリットを与えるという“番号ポータビリティ推進派”の考え方とは基本的に異なっている。

なお、会議の終盤では、座長の齊藤氏は「ほぼやる方向」だと発言、これを受けて総務省総合通信基盤局局長の有冨寛一郎氏は「番号ポータビリティをやるという方向で検討してほしい」と述べ、研究会座長や総務省が望んでいるシナリオが示された。

議論は諸外国に遅れをとらないように導入を急ぎたい導入推進派と、ユーザーの要望を十分調査すべきとする一部事業者の慎重派に分かれ、対立の構図を見せている。出席者の中では導入推進派が優勢のように思えるが、そもそもこの研究会メンバーは事務局である総務省が選出したメンバーとなっている。

現在、総務省では番号ポータビリティのあり方についての意見募集も行なっており、集まった意見はこの研究会の資料として活用される予定という。意見提出者は研究会に出席の機会を与えられることもあるとしている。

(永島和夫)




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