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KDDI、地上デジタルテレビ放送の受信に対応した携帯電話の開発を発表――PDAサイズから携帯電話サイズに小型化

Printable Version 2004年05月14日

(株)KDDI研究所とKDDI(株)は12日、NHK放送技術研究所と共同で、地上デジタルテレビ放送の受信に対応した携帯電話の開発を発表した。この携帯電話は、地上デジタルテレビ放送の受信と、KDDIの“CDMA2000 1X”“CDMA2000 1x EV-DO(イーブイ・ディーオー)”網による通信コンテンツの受信/再生、さらに放送/通信コンテンツの相互連携にも対応する。



小型で、携帯端末向けデジタルテレビ放送の機能をフル実装した端末

3者は、2005年度(2005年4月〜2006年3月)に開始が予定されている携帯端末向けデジタルテレビ放送に合わせ、受信機の開発研究を進めている。昨年5月にPDAサイズのボックスユニットを発表したが、今回の試作機はそれよりも小さな携帯電話サイズで、販売中の『W11H』をベースに開発し、PDAタイプが対応していなかったOFDM(直交周波数分割多重:地上デジタル放送で用いられるデジタル変調方式)受信ユニットを取り付けている。BML(Broadcast Markup Language:携帯端末向けデータ放送規格)に準拠したブラウザーや、OFDM復調機能なども含め、地上デジタル放送の受信に関するすべての機能と、通信コンテンツとの相互連携に関するすべての機能を携帯電話に搭載したという。

今回発表された試作機
今回発表された試作機。販売中の『W11H』をベースに開発されている
昨年発表された試作機
昨年発表された試作機(WIRELESS JAPAN 2003で撮影)。「弁当箱のような大きさのプロトタイプ」(木村氏)
背面
試作機の背面。W11Hのバッテリーパックカバー“miniSDジャケット”のかわりに、OFDM受信ユニットが取り付けられている
側面
側面
OFDMアンテナ
端末に対して横方向に伸びているのがOFDMアンテナ
OFDM受信ユニットを外したところ
OFDM受信ユニットを外したところ
今回の試作機は、今月27日〜30日に開催されるNHK放送技術研究所の一般公開でも公開される予定

また、KDDI研究所が開発した通信サーバーアプリケーション関連の技術として、GPSの位置情報と連動したコンテンツの提供を可能にする、位置情報履歴などの情報を端末とサーバー間で共有するための“ユーザープロファイルサーバー”機能と、最大128チャンネルの配信が可能な“RTPストリーミングサーバー”機能を搭載する。RTPストリーミングサーバー機能によって、スポーツ番組などで、複数のカメラアングルの映像を通信回線で提供できる。

試作機のサイズは幅50×奥行き38×高さ100mm(OFDM受信ユニットは含まず)で、重さは140g。CPUはSH-Mobileで、メモリーは64MB。ベースとなったW11Hから変更しているのはソフトウェアのみで、ハードウェアの変更はないという。連続視聴時間は約2時間。コンテンツプロバイダー向けの開発機としては、放送コンテンツをminiSDメモリーカードに蓄積できる“miniSD版”も用意する。

PDAサイズの試作機と携帯電話サイズの試作機の概要
PDAサイズの試作機と携帯電話サイズの試作機の概要
放送コンテンツの仕様と通信コンテンツの仕様
放送コンテンツの仕様と通信コンテンツの仕様
KDDI研究所が開発した技術の仕様
KDDI研究所が開発した技術の仕様

KDDIは記者発表会で、放送と通信コンテンツが連携する例として、自社が企画・製作したデモ用コンテンツを紹介した。

コンテンツ名“ミュージック”:
放送中のTV番組に対し、視聴者が通信ネットワーク経由で、アクションをとれる。デモでは、画面の上半分にミュージッククリップの放送画面が、下半分に「もう一度聞きたい」というリクエスト(投票)ができる携帯電話向けサイトが表示されていた。サイトでは、現在のヒットチャートも確認できた
コンテンツ名“ドラマ”:
放送中のTV番組で紹介されている物品などを、視聴者が通信ネットワーク経由で購入できる。デモでは、画面の上半分にドラマが、下半分にドラマの女優が着ているブラウスが購入できる携帯電話サイトが表示されていた。また、auのGPSを利用した位置情報サービスと連携して、現在地からブラウスを扱っているリアルの店舗までの道のり(地図)で表示された
コンテンツ名“緊急ニュース”:
携帯電話を待ち受け状態にしている時に、通信サーバーからTV機能をONにせよというコマンドがくると、自動的に緊急放送を表示する。デモでは、首都圏に巨大な地震が発生したという設定で、画面の上半分にニュース番組が、下半分に安否情報や非難情報などを提供する携帯電話サイトが表示されていた
コンテンツ名“スポーツ”:
通信回線を用いたストリーミング放送の再生。上半分に、ストリーミングサーバーから送られてきたモトクロスの映像が、下半分に、映像を別のカメラが撮影している別のアングルのバージョンに切り替えるためのリンクが設けられた携帯電話サイトが表示されていた
デモのシステム構成
デモのシステム構成
デモの様子
デモの様子。スタッフの頭の向こうに見えるのは、OFDM送信装置
“ミュージック”のデモ
“ミュージック”のデモ
“ミュージック”のデモ。画面の上半分にミュージッククリップの放送画面が、下半分に「もう一度聞きたい」というリクエスト(投票)ができる携帯電話向けサイトが表示されている。現在のヒットチャートも確認できた
“ドラマ”のデモ
“ドラマ”のデモ
“ドラマ”のデモ。画面の上半分にドラマが、下半分にドラマの女優が着ているブラウスが購入できる携帯電話サイトが表示されている。auのGPSを利用した位置情報サービスと連携して、現在地からブラウスを扱っているリアルの店舗までの道のり(地図)も検索可能
“緊急ニュース”のデモ
“緊急ニュース”のデモ
“緊急ニュース”のデモ。待ち受け時に、通信サーバーから送られてきたコマンドによって、自動的にTV番組が映し出される。画面の上半分にニュース番組が、下半分に地震の関連情報を提供する携帯電話サイトが表示されている
“スポーツ”のデモ
“スポーツ”のデモ。画面はストリーミングサーバーから携帯電話の通信ネットワーク経由で送られてきた動画。映像を別のカメラが撮影している別のアングルのバージョンに切り替えられる
KDDI執行役員技術開発本部長の村上仁己氏
KDDI執行役員技術開発本部長の村上仁己氏

KDDI研究所は(株)日立製作所の協力のもとで、リアルタイム/ノンリアルタイムのタスクの効率化とスケジューリング管理の最適化により、演算処理能力やバッテリー容量に制限があるなかで、地上デジタルテレビ放送の受信と通信連携に関するすべての機能を携帯電話のサイズに搭載したという。KDDI執行役員技術開発本部長の村上仁己氏は「技術的にはヤマを超えた」と語った。

今後の研究開発のテーマについて村上氏は、「次のステップとして、お客様からの声を元に、ビジネスモデルを作っていく。そう意味でスタートポイントに立った」とした。今後はNHK放送技術研究所と共同で、技術的な検証とコンテンツ開発を目的とした実証実験を行なうという。製品化の時期について、KDDI技術開発本部メディア技術開発本部 部長の中村博行氏は「2005年度開始予定の携帯端末向けデジタルテレビ放送と一緒に製品を出したいという業界全体の大きな目標はあるが、ビジネスモデルの検討やコンテンツプロバイダーと協力したコンテンツ開発など課題があり、現時点では何ともいえない」とした。






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