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イー・アクセス、次世代高速モバイル通信技術“TD-SCDMA(MC)”の実験を公開

Printable Version 2004年6月14日

イー・アクセス(株)は14日、5月28日に実験本免許を取得した次世代モバイルブロードバンド技術“TD-SCDMA(MC)”のフィールド実験の概要を公開し、報道関係者向けに通信のデモンストレーションを実施した。デモでは、700kbpsほどのストリーミング映像をスムーズに再生して見せた。

諸橋和雄氏
実験について説明する新規事業本部長の諸橋和雄氏

TD-SCDMA(MC)技術とはアメリカのNavini Networks社のCTO(最高技術責任者)、Dr. Guanghan Xu(グアンハン・シュー)氏によって開発されたもので周波数効率が高く、広い範囲で高速なデータ通信が可能となる技術。2004年4月15日に総務省から実験局の予備免許を取得、5月28日に本免許を取得してフィールド実験を開始した。当初はイー・アクセスは別方式で、第3世代移動通信システム“IMT-2000”に含まれる“TD-CDMA”の実験を行なうと表明していたが、途中でより高速通信が期待できるTD-SCDMA(MC)の実験に変更した経緯がある。

本免許取得後の実験では、同社の本社が入居するビルの屋上に基地局を設置、そこから約2km離れた場所でスループットの測定を実施した。その結果、約2km離れた場所におけるセクタースループットは平均で4.65Mbpsを記録した。イー・アクセスも導入を検討したことのあるTD-CDMA方式の理論値1.5Mbpsに比べ、高い実測値を得ているという。

このセクタースループットは、基地局の1セクターがカバーする範囲の合計のスループットで、同時に3台の端末でデータの下り方向の測定を行ない、3回計測した平均値を、3台分足したもの。1台の端末あたりでは0.964〜2.03Mbpsのスループットを計測している。

また、通信のデモンストレーションでは、700kbpsほどのストリーミング映像を使って映像の再生状態を比較した。TD-SCDMA(MC)による通信に対し、現在商用サービスが行なわれている既存の最大30kbps/最大400kbps/最大2Mbpsの3つの通信サービスを比較。既存3方式では再生できないか、途中で動画の動きが止まるなどしたが、TD-SCDMA(MC)ではスムーズな再生を行なって見せ、その優位性を強調した。既存の3方式の具体名については明らかにしていないが、それぞれPHS、W-CDMA、CDMA 2000 1xEV-DOと推測される。

実験用の端末
実験で使用中の端末。ウサギの耳のような部分がアンテナ。テープで止めてある
実験用の端末2
実験で使用中の端末。背面にはLANケーブルとACアダプターが接続してある
実験より
実際にインターネットにアクセスでき、700kbpsほどのストリーミング映像も問題なく再生できた
実験より2
NetMeetingで音声と映像による通話を行なったところ。とぎれもなく通話ができた
ビルの屋上に設置された基地局アンテナ
ビルの屋上に設置された基地局アンテナ。手前に8本並ぶ金属棒がスマートアンテナのエレメントとなる
基地局の無線機
屋上に設置された基地局の無線機。試作品となる実験局段階でも人の高さより小さいサイズにまとめることができた。本格サービス時にはさらに小型化できるという

今回の結果はあくまで実験としての数値で、実際の商用サービス開始となれば、セクター内の端末は3台では収まらず、もっと多い台数が同時稼働することが予想される。その場合は1セクター内で4.65Mbpsの帯域を共有することなり、1端末あたりのスループットは低下する。高スループットサービスを提供するためには、利用者数に合わせた基地局の増設などが不可欠となる。

なお、TD-SCDMA(MC)技術を使った通信サービスは実験段階で、実施時期や料金などは現在のところ未定。商用サービスを行なうには、TD-SCDMA(MC)の基地局設置などのインフラ整備のほか、屋内向け無線LANサービス(ホットスポットなど)と異なり、総務省の無線局免許が必要となる。

プレゼンテーションより
今後は実験局を3局に増局し、ハンドオーバー(基地局乗り継ぎ)実験などを行なうという
プレゼンテーションより2
自動車で移動中の車内から通信する実験の様子もビデオで紹介された。FTPでデータ伝送を行なっている

(永島和夫)




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