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イー・アクセスと米ルーセント、モバイル通信環境のブロードバンド化に関するセミナーを開催

Printable Version 2005年03月30日

from ASCII24

イー・アクセス(株)と日本ルーセント・テクノロジー(株)は30日、都内ホテルにおいて、次世代モバイルブロードバンド環境の市場や技術などの動向を解説する“モバイルブロードバンドセミナー”を開催し、イー・アクセスの代表取締役会長兼CEO(最高経営責任者)の千本倖生氏、米ルーセント・テクノロジーズ(Lucent Technologies)社の会長兼CEOのパトリシア・ルーソー(Patricia Russo)氏がそれぞれ解説を行なった。イー・アクセスは、米ルーセント・テクノロジーズおよび富士通(株)と共同で、1.7GHz帯/FDD方式(W-CDMA方式)での次世代モバイル通信の実証実験を実施予定で、今月16日に実験局免許の申請を行なっている。

イー・アクセスの代表取締役会長兼CEOの千本倖生氏
日本および各国のブロードバンド・インターネット接続料金と通信速度の比較

先に登壇したイー・アクセスの千本氏は、まずはじめに現在の日本のADSLをはじめとするブロードバンド・インターネット接続環境(同氏のプレゼンテーションでは“モバイル”に対して“固定系”と表現されていた)について、「ブロードバンド最低国家だった日本が、世界で最も安く世界で最も速いインターネット接続環境の国家になった」と述べた。同氏はこの背景として、ADSLを中心とした接続事業者間での健全な市場競争によるところが大きいとし、同社自身も、日本のブロードバンドインターネット接続環境の低価格/高速化と普及に大きく貢献してきたと自負していると述べた。

固定系ブロードバンド・インターネット市場とモバイル通信市場の比較
日本と海外の携帯電話での通信時間およびデータ通信料金の比較

一方、モバイル通信環境については、ブロードバンド・インターネット接続市場(加入件数約1700万件、市場規模7000億円)の約12倍の市場規模となる8兆5000億円(加入件数は約8400万件)であるにもかかわらず、ブロードバンド・インターネット接続事業者が300以上存在するのに対して「3社しかプレーヤーがいない」状況にあり、日本のモバイル通信の低価格化が進んでおらず、顧客満足度が低く、データ通信量も固定系のインターネット接続と比較すると低水準だと指摘した。


千本氏が指摘するモバイル通信事業の成長する“余地”

このような状況を踏まえ、同氏は「日本のモバイル通信市場は頭打ちだという声もあるが、モバイルブロードバンドは今後まだ確実に伸びる」と見込んでいるといい、新規参入による競争と市場の活性化、新しいビジネスモデルの導入により、5年から7年で10数兆円の市場にまで成長し、「世界一のモバイル国家」になるだけの大きな余地があると述べた。新規参入を目指す同社は、固定系サービスでも実現してきた“最新技術の導入”“シンプルな料金プラン”“新しいサービスコンセプト/ビジネスモデル”の3点を柱にモバイル通信事業に取り組んでいくとして、千本氏は「(モバイルブロードバンド実現の流れを)当社が起こす」と意気込みを語り、同社が目指すモバイル通信事業のサービスイメージを以下のようにまとめた。

イー・アクセスが目指すモバイル通信事業のサービスイメージ
モバイル通信事業における新しいビジネスモデルとして紹介された“MVNO(Mobile Virtual Network Operator:仮想移動体サービス事業者)”

データ通信重視型サービス
オープンなネットワークアクセス(既存事業者のような“囲い込み”ではなく、オープンにインターネットを利用できるインフラを提供)
低価格化/定額化/高速化の促進
固定/モバイルブロードバンド接続サービスのシームレスな提供(Wi-Fiとのデュアル端末など)を行なう“どこでもブロードバンド”コンセプト
“生活エンジョイ型端末”
ユーザーがニーズに合わせてフレキシブルに機能/デザインが選べる端末の展開
新たな市場の開拓
“モバイル家電”としてのモバイルブロードバンド端末の展開
イー・アクセスからモバイル通信インフラのみを他社に提供し、他社がそのインフラ上でコンテンツ/プラットフォーム/端末ビジネスを展開する“MVNO(Mobile Virtual Network Operator:仮想移動体サービス事業者)”モデルの導入

また千本氏は、同社のモバイル通信事業に開始時期について、「2005年内に免許が取れれば、2006年度中にサービスを開始したい」としている。


米ルーセント・テクノロジーズの会長兼CEOのパトリシア・ルーソー氏

続いて登壇した、米ルーセント・テクノロジーズのルーソー氏は、日米の携帯電話“文化”について、「日米ともに、携帯電話の“画面”を見ている時間が長くなってきた」として、ブロードバンド化がキーとなるデータ通信の進化の重要性を強調。また、日本市場は「モバイル端末の未来を指し示す重要な市場」であるとして、日本の事業者との協力関係の重要性を述べた。

“MVNO”の仕組みとメリット

通信全般の今後の進化の方向性としては、モバイル化の一層の進展と、これに伴う事業者の新ビジネスモデルの模索、ブロードバンド化による今まで実現できなかった新サービスの展開が考えられるという。同氏は、モバイル通信の新しいビジネス分野としては“MVNO”と医療分野を、技術面でのトピックとしては、ブロードバンド化に加えて、IPネットワークベースのインフラ展開とマルチメディア関連機能/サービスの充実を挙げ、同社では「より高度な通信を手の届く価格で提供」することに貢献していくとしている。




“コンバージェンス&ブレンデッド・ライフスタイル・サービス”がカバーするサービス分野と端末の例。あらゆる端末であらゆるサービスが利用できる環境を目指すという

また同社では、さまざまな接続環境やデバイスにおいて同様の情報やサービスを利用できる“コンバージェンス&ブレンデッド・ライフスタイル・サービス”の実現を目指すとし、いかなるネットワークや機器に対してもデータを通信できる“Value over IP”(“Voice over IP”にかけた標語で、IPネットワークを通じてあらゆるバリューを提供していく、という意を示す)を提供していくと述べた。


元駐日米国大使のトーマス・フォーリー氏

なお、この日の説明会には、元駐日米国大使のトーマス・フォーリー(Thomas S. Foley)氏がスペシャルゲストとして来場し、冒頭にスピーチを行なっている。フォーリー氏はこの中で、イー・アクセスとルーセントの協力関係について、「高い技術と伝統を持つ米国の企業と、日本のイノベーションの先端を行く会社が提携を持つというのはすばらしいことであり、日米両国の関係にとっても大きなプラス」だと述べた。

(編集部 内田泰仁)




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