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408kbpsの高速通信規格も登場!――ウィルコム、データ通信サービスの高速化/快適化プランを発表

Printable Version 2006年1月27日

from ASCII24
新PHS規格“W-OAM”に対応したデータ通信カードの新製品。左から8x対応の『AX520N』、4x対応の『AX420N』『AX420S』
新PHS規格“W-OAM”に対応したデータ通信カードの新製品。左から8x対応の『AX520N』、4x対応の『AX420N』『AX420S』
大人気のスマートフォン『W-ZERO3』の開発中の新色を披露するウィルコム コンシューマ営業本部 常務執行役員の土橋匡氏
大人気のスマートフォン『W-ZERO3』の開発中の新色を披露するウィルコム コンシューマ営業本部 常務執行役員の土橋匡氏

(株)ウィルコムは27日、現在の通信料金を変更せずに、データ通信サービスを高速化/快適化するプランを発表した。中でも注目されるのは、高度化PHS通信規格“W-OAM”(WILLCOM Optimized Adaptive Modulation)によるデータ通信サービスの高速化で、2月下旬以降に発売されるW-OAM対応端末と“8xパケット方式”の通信方式を利用することで、最大408kbpsの無線データ通信が可能になる。

報道関係者を集めた説明会にて、同社コンシューマ営業本部 常務執行役員の土橋匡(つちはし ただす)氏は同社のビジネス状況について説明。2005年12月には累計稼働台数が、旧DDIポケット時代の最高累計稼働数361万7000台を上回り、370万台に到達するのは確実など、着実な成長を遂げていることを述べた。そのうえでニーズの高いデータ通信サービスを強化すべく、“データ通信のさらなる快適化”を目指すとし、発表される具体的なサービス強化案についての説明を行なった。

今回発表されたデータ通信サービスの強化プランは、高度化PHS通信規格“W-OAM”の導入、1xパケット方式の高速化、同社のインターネット接続サービス“PRIN”の快適化、の3点である。W-OAMとは電波状況に応じて最適な変調方式を選ぶ通信規格。現在使われている“QPSK”(Quadrature Phase Shift Keying)方式に加えて、基地局に近いなど電波状況の良い場合は、より高速な“8PSK”(8-Phase Shift Keying)方式に切り替え、逆に状況の悪い場合には低速だが安定性の高い“BPSK”(Binary Phase Shift Keying)に切り替えることで、高速通信と安定した通信の両立を実現する。W-OAM対応端末による通信速度は、既存の通信方式の最大1.6倍に高速化されており、現在最大256kbps“8xパケット方式”の通信方式では、最大408kbpsまで高速化される。BPSK方式で接続された場合は、従来の最高速度より低い通信速度に制約されるが、同社執行役員 CTOの近義起(ちか よしおき)氏は、電波状態が悪い環境で高速な方式を使ってエラーによる再送が発生するよりは、安定したBPSK方式での接続の方が実効速度は向上するとの見解を示した。

W-OAM対応端末の通信方式と通信速度
通信方式 料金コース W-OAM対応エリア内 現エリア内
8xパケット方式 [PRO]専用料金コース 408kbps 256kbps
4xパケット方式 つなぎ放題[4x]など 204kbps 128kbps
2xパケット方式 つなぎ放題 102kbps 64kbps
W-OAMを利用した8xパケット方式のイメージ。電波状況に応じて通信方式を切り替え、状態の良いときには408kbpsの高速通信を可能にし、状態が悪いときにも102kbpsで安定した接続を維持する
W-OAMを利用した8xパケット方式のイメージ。電波状況に応じて通信方式を切り替え、状態の良いときには408kbpsの高速通信を可能にし、状態が悪いときにも102kbpsで安定した接続を維持する
W-OAMによる速度向上グラフ。2xの64kbpsでも102kbpsに、8xの256kbpsはFOMAを上回る408kbpsまで高速化が可能になる
W-OAMによる速度向上グラフ。2xの64kbpsでも102kbpsに、8xの256kbpsはFOMAを上回る408kbpsまで高速化が可能になる

W-OAMによる高速化されたデータ通信サービスを利用するには、対応する新端末が必要となり、既存の端末やW-SIMカードでは利用できない(W-SIM)。ただし既存のサービスプランから、料金はそのままで利用可能になる。対応端末はNECインフロンティア(株)やセイコーインスツル(株)がPCカード型やCFカード型の端末、計3製品を製造し、ウィルコムの販路で販売する。価格は全製品オープンプライス。予想実売価格は未定とのこと。また基地局側もW-OAM対応が必要である。基地局については、すでに東名阪地区の大都市などを中心に更新が行なわれており、都市部から順次拡大されるとしている。

AIR-EDGE [PRO] AX540N
形状:PCカード TypeII型、8xパケット方式対応、最大通信速度:408kbps、重量:約45g
NECインフロンティア製、2月下旬発売予定
AIR-EDGE AX420N
形状:CFカード TypeI型、4xパケット方式対応、最大通信速度:204kbps、重量:約20g
NECインフロンティア製、2月下旬発売予定
AX420S
形状:CFカード TypeI型、4xパケット方式対応、最大通信速度:204kbps、重量:約16g
セイコーインスツル製、3月中旬発売予定
CFカード型の『AX420N』をノートパソコンに接続した状態。アンテナは360度動く“高感度フレキシブルアンテナ”で、弾性があり少々曲がっても大丈夫。PCカードスロット用のアダプターは付属する
CFカード型の『AX420N』をノートパソコンに接続した状態。アンテナは360度動く“高感度フレキシブルアンテナ”で、弾性があり少々曲がっても大丈夫。PCカードスロット用のアダプターは付属する

データ通信サービス強化プランの2つめの“1xパケット方式の高速化”では、通信速度最大32kbpsの1xパケット方式でサービスされている“つなぎ放題[1x]”と“リアルインターネットプラス[1x]”が、月額料金はそのままで速度2倍の2xパケット方式(最大64kbps)を利用できるようになる。最も安価な定額プランが、料金据え置きで速度が倍になるというわけだ。これにともない両サービスの名称も変わり、1xパケット方式を示す“[1x]”の文字がなくなる。ただし全端末が対応可能なわけではなく、対応可能なデータ通信カードやW-SIMカード対応PHS、PHS通信機能“AIR-EDGE IN”内蔵ノートパソコンは、4xパケット方式以上に対応する機種に限られる。詳細はプレスリリース参照のこと。

1xパケット方式から2xパケット方式への速度アップに対応する端末の例
1xパケット方式から2xパケット方式への速度アップに対応する端末の例

同サービスの開始時期は、PRINおよびウィルコム経由での接続は2月1日から、そのほかのインターネットプロバイダーでの利用は4月1日からの予定とされている。

この他にも、2月1日からインターネット接続サービスPRINに、PHSによる無線通信に最適化された“W-TCP制御装置”を導入し、データ送受信の効率化によるスループット向上を行なう。W-TCPでは、通信時にエラーが発生したパケットだけを再送することにより、不要なロスパケットを減らすことでスループットを向上させる。2月1日から5月末日にかけて、PRIN側のネットワーク設備を更新。段階的に利用可能になるとしている。ユーザー側の端末交換や設定変更、追加料金等は必要ない。

W-TCPの原理。現在はエラーによりロスしたパケットと続くパケットすべてを再送しているので無駄が多い。これをロストパケットのみ再送とすることで、帯域を有効活用してスループットを向上させる
W-TCPの原理。現在はエラーによりロスしたパケットと続くパケットすべてを再送しているので無駄が多い。これをロストパケットのみ再送とすることで、帯域を有効活用してスループットを向上させる

またW-ZERO3ユーザー向けに無料試験サービスを提供している“ウィルコム無線LANオプション”を拡充し、AIR-EDGE[PRO]専用料金コースを利用するユーザーにも無料試験サービスを提供する。これにより該当ユーザーは、エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ(株)の公衆無線LANサービス“ホットスポット”を利用可能になる。試験サービス提供開始は、2月1日から。6月1日からは、ウィルコムの他の料金コースの利用者にも対象を拡大した、商用サービスに移行する予定。商用サービスは初期登録料が1500円、月額利用料は料金コースにより異なり、AIR-EDGE[PRO]専用コースは無料、AIR-EDGE向け料金コースのつなぎ放題、つなぎ放題[4x]などは700円となる。

将来的には1.5Mbps? W-ZERO3の新色は3月中旬!?

説明会の中では、同社の将来の製品や高速化プランについても言及された。土橋氏はW-ZERO3のマーケット層を広げるべく、カラーバリエーション製品の展開を表明。新色として“シャンパンシルバー”のモデルを3月中旬投入を目指しているとした。

W-ZERO3春の新色は“シャンパンシルバー”!? 3月中旬発売を目指して開発中とのこと
W-ZERO3春の新色は“シャンパンシルバー”!? 3月中旬発売を目指して開発中とのこと

また近氏は将来の高速化プランについて述べ、QPSKや8PSKよりも高度な“16QAM(Quadrature Amplitude Modulation)”“64QAM”などの無線多値変調方式を導入するとした。16QAMを現在の8xパケット方式と組み合わせた場合、最大通信速度は512kbps、64QAMでは最大768kbpsが可能になるという。さらに端末側の無線機を増やし、12xや16xへと増強すれば、16xと64QAMを組み合わせることで最大1.5Mbpsの通信速度も実現できるとのことだ。同社ではこうした高度化PHSの次世代となる、“TDD次世代システム”の研究開発も進めており、現在のPHSシステムを支えるマイクロセルネットワークを活用しながら、数10Mbpsの高速無線データ通信の実現を目指すとしている。

PHSの高速化プランの例。より高度な多値変調方式を導入することで、現在の無線機数でも最大768kbpsが実現可能という
PHSの高速化プランの例。より高度な多値変調方式を導入することで、現在の無線機数でも最大768kbpsが実現可能という

(編集部 小西利明)




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