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【特別企画】DDIポケット128kbpsデータ通信サービス開始記念インタビュー
128kbpsデータ通信はPHSサービス開始当初から進められていた!

Printable Version 2002年03月22日

DDIポケット株式会社 営業企画部長 高野純一氏

いよいよ3月26日から、DDIポケットの128kbpsパケット通信サービスが開始される。そこで、128kbps構想の始まりから試験サービスの反響、今後の予定を、DDIポケット・営業企画部長 高野純一氏にお話を伺った。

[編集部] いつごろから128kbpsの構想はあったのでしょうか?

[高野氏] パケット通信のサービスの構想が持ち上がったのは約3〜4年前です。その後サービス開始を検討していくなかで、32kbpsと128kbpsのふたつのサービスの可能性が出てきました。
それ以前の話ですが、1995年のPHSのシステム開始当初から、回線交換で32kbpsを束ねて128kbpsの通信を行うという案はありました。そのうち、パケット通信の実現の可能性が出てきました。回線交換よりもパケット通信の方が、コストもかなり抑えられるため、ユーザーによりよいサービスが提供できるのではないかということになり、方向転換が行われたのです。技術的には回線交換でも128kbpsの通信が可能ですが、利用料金が高くなってしまうのです。

[編集部] 32kbpsと128kbpsなのですが、同時ではなく先に32kbpsを開始した理由は?

[高野氏] 32kbpsと128kbpsの違いは、32kbpsではひとつの基地局を、128kbpsでは複数の基地局を使用することです。当然32kbpsができなければ128kbpsも実現できません。そのため、32kbpsを先行させました。位置付けとしては、32kbpsという主力サービスがあって、その高度なものとして128kbpsがあるという考えです。

[編集部] 32kbpsのサービスを開始するにあたりインフラの整備は順調だったのでしょうか?

[高野氏] このサービスに力を入れたのは、従来の基地局がそのまま使えたからです。新サービスを開始するにあたり、新たな基地局が必要な場合もありますが、128kbpsのパケット通信サービスではそのようなことはありませんでした。すでにある基地局のソフトをバージョンアップするだけで対応できたのです。しかも、基地局のバージョンアップにはそんなに時間がかかりません。バージョンアップ用のソフトは、開発だけでなくフィールドテストなども必要でなので、実際に使えるようになるには数年ぐらいはかかっています。

[編集部] 32kbpsパケット通信サービスを開始したときのユーザーの反応は?

[高野氏] サービス開始と同時に加入者は増えました。とくに8月29日に「つなぎ放題コース」を開始したときには、それまでの2倍ぐらいの勢いで激増しました。その後も順調に加入者数を伸ばしています。
AirH”の契約者数は、2001年10月で10万人、2001年12月で20万人まで増え、2002年3月末には30万人を突破しそうです。

[編集部] 定額制導入で加入者数が激増することは予想していたのでしょうか?

[高野氏] 加入者数の増加は想定していたとおりなのですが、ユーザーの利用実態は予想以上にヘビーなものでした。同時に何パーセントぐらいのユーザーが接続するかとか、ひとりのユーザーが1カ月間にどのくらいデータ量を利用するかという試算は行っていたのですが、とくにスタートの段階では予想以上に利用されていました。
料金の設定とか、基地局の設備とか、加入者数と利用頻度を想定して用意したのですが、甘かったですね。現在でも、加入者数が増えていますが、ひとりあたりの平均のデータ利用量が減少してきたため、最近では落ち着いています。今の段階では当初の予想に近くなったという感じです。現在では、基地局の整備もほぼ追いついている状態で、安定した通信環境を提供できています。

[編集部] 128kbpsのサービス開始を延期した時のユーザーの反応は?

[高野氏] ユーザーからは早く使いたい声をコンスタントにいただいていました。しかし、加入者の増加が停滞するという現象は見られませんでした。その時点では、128kbpsの料金体系もはっきりしていませんでしたし。
延期の理由としては、32kbpsのサービスを開始した時点で予想以上にデータ利用量が多かったもので、今度はユーザーに迷惑をかけないように、ネットワークを整備してからサービス開始しようと考えたのです。試験サービスを開始する時点でメドが付いたということです。インフラの整備に関しては終わりがないので、今後も順次対応していきます。

[編集部] カード開発メーカーとの連携は?

[高野氏] 回線交換を行っていた時代から連携していたので、各メーカーとも通信部分ではノウハウを持っています。そこで、以前から連携していたメーカーにAirH”対応カードを開発していただきました。
128kbpsのデータ通信カードメーカーの本多エレクトロンは、メールセンターサービスなどで連携していました。試作品の製作なども行っていて、確かな技術を持っていました。そこでDDIポケットと本多エレクトロンの話し合いのなかで、128kbps対応カード開発が決まりました。

[編集部] 128kbpsの料金体系はどのように決められたのでしょうか?

[高野氏] まずサービスとしては基本となる32kbpsがあります。これが基本料金で、いうなれば128kbpsでは特急料金をもらうという加算方式を取り入れました。コストの試算も行っていたのですが、つなぎ放題でも1万円を切る価格を目指していたので、128kbpsのオプション料金を3,500円と設定しました。

[編集部] 試験サービスの申し込みの状況は?

[高野氏] 通常のモニターだと、新聞などで告知してユーザーを集めると思うのですが、今回は、時間がなかったうえ、1,500人限定だったもので、店頭でのチラシを使った告知とWebサイト上での紹介ぐらいしかしていませんでした。 試験サービスは、DDIポケットと契約していて、128kbps対応端末を購入済みのユーザーを対象としてたのですが、申し込み期間の時点で128kbps対応カードを購入されていたユーザーは1万人を超えていました。試験サービスを利用したくて購入されたようで、多くの方が申し込まれました。

[編集部] 試験サービスを行うということは考えられていたのでしょうか?

[高野氏] 32kbpsのときにつながりにくいという問題点がありました。そのため半年ぐらい前から、128kbpsは本格サービス開始直前に、一般ユーザーを対象にした試験サービスを行う計画を考えていました。
社内的には、DDIポケットの社内関連部署以外にも協力してもらい、試験サービス前にいろいろなテストを行ったりしていました。これはテストの期間が決まっている上、テストを行った社員数も多いため、過酷な環境でテストできたことになります。また、社員が利用している音声端末の数も非常に多いので、DDIポケット本社周辺のトラフィックはすごいのです。テストとしてはいい環境でしたね。

[編集部] 128kbpsの試験サービスで発生した問題点は?

[高野氏] 試験サービスでの問題点は、いまのところないようです。試験サービスのアンケートを行っていますが、満足していただいているという意見が多いです。
試験サービス中に、データ通信カードのファームウェアのバージョンアップの案内を行いましたが、これは試験サービスで問題が発生したからではありません。このバージョンアップでは、4つの基地局からそれぞれ受信していた電波を、2つの基地局・各2本の電波でも利用できるようになるものです。以前から開発が行われていたのですが、その開発途中で基地局だけでなくデータ通信カード自体も対応が必要ということが分かりました。カード用のソフトウェアが、かなり早く準備ができていたので、バージョンアップの案内が試験サービス期間中と重なっただけなのです。



128kbpsのパケット通信サービスに対応した「AH-G10」

[編集部] 本サービス開始時にはどのような状況になると予想されているのでしょうか?

[高野氏] 128kbpsのサービスを待っていたユーザーもかなりいると思いますので、加入者増を予想しています。32kbpsの時もサービス開始直後の負荷は大きかったので、128kbps開始直後にも同じように対応していかないといけないでしょう。最初は、ヘビーユーザーが大いに利用してくださると考えられますので、絶対大丈夫ということは言い切れませんが、ご迷惑をおかけしないように対応していきたいと思っております。

[編集部] 32kbpsを利用されているユーザーが、次々に128kbpsに乗り換えていくということは予想されているのでしょうか?

[高野氏] スタンダードは32kbpsだと思っています。128kbpsは、回線交換の時代に1万円以上利用したユーザーなどが乗り換えていくのではと考えています。

[編集部] CFカードタイプなど、今後のラインアップ拡充については?

[高野氏] CFタイプのカードなどを、来年度には出したいと考えています。パソコン内蔵タイプについては、PCメーカー側の商品戦略ですから、DDIポケット側からはなんともいえないのです。ただ、32kbps対応内蔵モジュールを搭載した富士通のノートPCも好調だと聞いていますし、各PCメーカーさんも前向きにご検討いただいているのではないかと思います。音声端末についは、128kbpsが必要かどうかを検討する必要があります。音声端末ではカードタイプと違い手軽にデータ通信を行うことができませんから。

[編集部] 将来的にはPHSはデータ通信重視になるのでしょうか?

[高野氏] 音声とデータ通信の両方が重要だと考えています。音声端末でも一般ユーザーはそれほどではないのですが、ビジネスマン向けにはいまも伸びてきています。取引先との会話などで利用する場合、音がクリアなのが重要なポイントとなっているからです。これからは音声、データ通信ともビジネスマンに使っていただける端末を用意していこうと考えています。

[編集部] 128kbps以上は考えられているのでしょうか?

[高野氏] 将来的にはPHS業界として1Mbpsまで高速化が検討されていますが、実際にそこまでやるためにはネットワークの設備投資が必要になっています。その設備投資は、利用料金に跳ね返ってきます。128kbpsで足場を固めてから、次のステップに行こうと考えています。
携帯電話では、128kbps以上のサービスが始まっていますが、AirH”のサービスの要は定額制だと考えています。いくらスピードが速くても、料金が2万円とか3万円になってしまうのでは、よいサービスとはいえないのではないでしょうか。

スピードはユーザーがストレスを感じるかどうだと思います。128kbpsでもストレスを感じないのであれば、定額制にメリットを感じる層からのニーズはかなりあると思います。

定額制が実現できたのは、PHSならではの電波の利用効率のよさがあるのです。また、1995年以来増設してきた16万ある既存の基地局のほとんどが、ソフトを入れ替えるだけでAirH”が利用できたことです。そのため、利用料金も抑えることができます。もともとハードではなくソフトを変えることによってサービスを拡充するという考えで設備を構築してきたので、インフラの有効活用ができていると思います。



(携帯24編集部)




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