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【遠藤諭のケータイ出たとこレポート】ポケベル打ち伝説・後編――優れた入力方式は定着しない!?

Printable Version 2004年3月14日

この記事は、2月27日に掲載したポケベル打ち伝説・前編の続編です。あわせてご覧ください。

“ポケベル打ち”は“かな入力”の3分の2の手間で済む

遠藤 諭
月刊アスキー編集主幹の遠藤 諭。「い」「ろ」「は」順で「ん」まで“2タッチ入力”で入力するテストをしたところ、46秒だった。「“〜でしょう”とか、“〜じゃないですか”とか、日ごろ使う言い回しならもっと早いんだけどなあ……」(遠藤)

単純に“かな入力”と“2タッチ入力”(ポケベル打ち)の効率を比較してみよう。

“かな入力”では「あ」の入力なら「1」でキー1つだが、「お」の入力では「11111」と5回キーを押す必要がある。つまり、「あいうえお」と5文字を入力するのに15回キーを押す勘定になる。

一方、“ポケベル打ち”では、「あ」は「1」「1」、「お」は「1」「5」で、どの文字も2つキーを押せばいいから、「あ」「い」「う」「え」「お」と5文字入力するのに10回キーを押せばよい。これが、あ行、か行、……わ行と続く。

英字に関しても同じで、「a」「b」「c」「d」「e」と5文字入力するのに“かな入力”では15回キーを押す必要があるのに対して、“ポケベル打ち”では同じ5文字を入力するのに10回キーを押せばよい計算になる。

数字は、“かな入力”では入力モードを変更して1文字を1キーで押すことになるが、“ポケベル打ち”では入力モードを切り替える必要がない。その代わりに、例えば「1」なら「9」「6」、「2」なら「9」「7」といった具合で、数字も2回キーを押すことになる。かなや英数字のほかに、かなの濁音や拗音、記号などもあるから簡単には言えないが、ザッと言って、「“ポケベル打ち”は“かな入力”の“3分の2”の手間で済む」と言えそうである。





ポケベル打ちの入力例
例:「し」「ん」「じ」「ゅ」「く」
「3」「2」+「0」「3」+「3」「2」「0」「4」+「8」「0」「8」「3」「8」「0」+「2」「3」。濁点/半濁点は、文字に続けて「*」を押しても入力可能。大文字/小文字(拗音/促音)は「8」「0」を押すと切り替わる。
例:「A」「S」「C」「I」「I」
「1」「6」+「4」「9」+「1」「8」+「2」「9」+「2」「9」。全角/半角は「ソフトキー4(メールボタン)」を押すと切り替わる。大文字/小文字は「8」「0」を押すと切り替わる。
P505iS

※使用機種は『ムーバP505iS』。濁音/半濁音/拗音などの入力、大文字/小文字/半角/全角の切り替え方法は、端末によって多少のクセがあるので、付録の“ポケベル打ち”対応端末がすべてこのとおりに入力できるとは限らない




優れた入力方式は定着しない

ところで、“ポケベル打ち”派の人はきっと「“ポケベル打ち”の良さは、そんなキーを押す回数が問題じゃないんだけどなー」と感じているはずだ。

つまり、ポケベル打ち”の魅力は、なんといっても必ず2タッチで1文字が入力できるという“リズムの良さ”にあるというわけだ。それに対して“かな入力”している人の様子を見ると、いかにも疲れそうな体勢で、前かがみで肩に力を入れながら携帯の小さな液晶パネルをにらみつけている。

ちょっぴり頭をよぎるのが「優れた入力方式は定着しない」という仮説である。

親指シフトキーボード
親指シフトキーボード。親指をシフト操作に利用するもので、2つの親指キーの利用で、キー配列のシフト状態を区別して、30個のキーで50音/濁音/半濁音/拗音/促音が入力できる(アスキー デジタル用語辞典より)

アルヘァベットの入力におけるキーボードの“Dvorak配列”、日本語の入力における“タッチタイプ”や“親指シフト”など、それぞれ、“QWERTY配列”や“JISかな”あるいは“ローマ字入力”に対して、優れているという評価結果が明らかになっている。ところが、これらの方式は、効率が悪く疲労度も高いはずの旧来の方式に取って変わることはなかったのだ。唯一の例外は、PalmOSにおける“Graffiti(グラフィティ)”というアルファベットの入力方式くらいだろうか。






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