【特別企画】携帯電話向けウェブブラウザー『サイトスニーカー』はこうして生まれた(開発秘話・後編)
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2005年06月13日
4月25日から1ヵ月間、ブログ連動の携帯電話向けフルブラウザー開発プロジェクト“携帯電話でパソコン用ウェブサイトを見よう! しかも無料で!!”が、(有)ユビキタスエンターテインメント(以下UE)によって行なわれた。期間中、UEが開発したHTML3.2準拠のウェブブラウザー『サイトスニーカー』(β版)が無料配布され、約3万2000人のユーザーが『サイトスニーカー』をダウンロード、同アプリケーションを通じて1日あたり6万ページへのアクセスがあったという。(株)アスキーはメディアスポンサーとして同プロジェクトに協力した。
ここでは前編に続き、UEの代表取締役社長である清水 亮氏が、『サイトスニーカー』がなぜ生まれて、そしてどこに行くのかを自ら綴る。清水氏は1976年新潟県生まれの28歳、(株)ドワンゴ、米DWANGO North America社などを経て2003年に独立してUEを発起した。現在は4名の社員を抱えている。若手社長の奮闘ぶりをとくとご覧いただきたい。
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パソコン用ウェブサイトが見られるjavaアプリケーション『サイトスニーカー』。(株)エヌ・ティ・ティ・ドコモのiモード対応携帯電話用ソフトウェア“iアプリ”の規格に準拠し、mova/FOMAブランドの携帯電話で動作する(FOMA 700i/900i/901i/2102、mova 505i/506iシリーズ対応)。『サイトスニーカー』のβ版の配布は17日に再開した |
そして地獄の扉が開く
4月25日。かくしてサイは投げられました。
雑誌やインターネットのさまざまな媒体に取り上げられ、まずは順風満帆といったところです。ところが、βテストを開始して数時間後、問題が起きました。
「ダウンロードできない!」
「繋がらない!」
「ページが見られない!」
苦情が次々に寄せられます。
すべてはサーバーの過負荷のせいでした。僕らの予想に反して、かなりの数のユーザーが大量にアクセスをしてきて、あっという間にサーバーが機能不全に陥ったのです。
過去に在籍していたネットワークゲーム会社でクラッカーなどによる“DoS攻撃”などは経験していましたが、『サイトスニーカー』への反響はそれ以上のインパクトでした。
結局なすすべもなく、パンク寸前のサーバーで4万アクセスを裁いて1日目が終わりました。それでも1日目は“マシなほう”だったのです。
2日目、『サイトスニーカー』は個人のブログでも取り上げられるようになり、各メディアの記事やブログを読んだ人々によって、怒涛のようなアクセスがサーバーに集中しました。その数、こちらで計測できただけでも20万アクセス。実際には、アクセスが集中しすぎてすべてのアクセスを裁き切れなくなっているので、アクセスをしようとした人はその数倍に上ると思われます。
通常のサーバーであれば、1日20万アクセスというのは難なくこなせる数字です。それで僕には油断がありました。なにしろそれまで数十万人の会員を裁く公式サイトをわずか数台のサーバーで回していた経験があったので、「今回も同様にこなせるだろう」とどこかでタカをくくっていたところがあったのです。
通常のサイトの場合、アクセスに対応するには、サーバー内部のHDDからデータを読み出してアプリやブラウザに返してやればそれで終わりです。
ところがサイトスニーカーの場合、サーバー上で他のサイトのデータを携帯電話向けに変換する必要があります。そのためには、ユーザーからのリクエストに応じて、インターネットの別のサーバーにページデータを取りにいかなければならず、データの受信にはHDDに比べて時間がかかるので、通常のサーバーの作り方ではすぐに追いつかなくなりました。
その上、Java自体のライブラリーの持つバグに起因するエラーでサーバーが落ちたり、挙句はライブラリー内部で無限ループに入る有様でした。Javaはソースが公開されているので、もうソースからJavaそのものを修正してプログラムを書くしか対応策はありませんでした。
また、アプリの要求に応じてサイトへアクセスするアプリケーションサーバーと、単にアプリをダウンロードするだけのウェブサーバーを同じサーバーマシンに置いていたのも負荷の上昇に拍車をかけました。
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